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三菱電機初の金属3Dプリンタ、モジュール化による自動化で工程最適化目指すJIMTOF2018

三菱電機は「JIMTOF2018」において、同社初となる金属3Dプリンタを参考出展。単体としての技術力とともに、モジュール化した工程の組み合わせにより、工程全体で自動化を実現できる価値を訴えた。

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 三菱電機は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、同社初となる金属3Dプリンタを参考出展。単体としての技術力とともに、モジュール化した工程の組み合わせにより、工程全体で自動化を実現できる価値を訴えた。

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JIMTOF2018に出展された三菱電機初となる金属3Dプリンタ(左端)。造形を行った後ロボットで穴開けモジュール(右端)に搬送する(クリックで拡大)

レーザーワイヤDEDで高い制御技術を活用

 三菱電機が出展した金属3Dプリンタは、溶接用ワイヤで簡単な造形を作り、それをDED(Directed Energy Deposition)方式として、レーザーを直接照射して溶かして造形するというもの。金属3Dプリンタで既に多く使われているPBF(Powder Bed Fusion、粉末床溶融結合)方式に対して、造形時間を短縮できる他、空孔などが起こりにくいという強みがある。さらに独自の制御技術により、点造形を可能としており、熱を加えすぎることによる造形くずれを抑えることができる点が特徴である。

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点造形技術により造形している様子(クリックで拡大)

 ただ、レーザーワイヤDED方式がPBF方式よりも早いとはいえ、金属3Dプリンタの造形スピードは時間がかかる。さらに、単体では作業が完結せずに、切削や仕上げ加工などを行う必要があり、これらを人手で搬送していては、工程全体では大きな負荷がかかることになる。そこで三菱電機ではこの金属3Dプリンタの周辺の工程をモジュール化し、ブロックを組み合わせるような形で工程を組み上げることができるようにした。

 JIMTOF2018では、この金属3Dプリンタの後の工程として、ロボットによる搬送モジュール、さらに穴開けモジュールを用意し、これらの一連の工程を自動化できるようにした。「一連の工程を自動化させることで、人を金属3Dプリンタにはりつけることがなくなる。今後さらに切削などのモジュールも用意し、積層造形、切削仕上げ、穴開けの一連の流れを自動化できるようにする」(担当者)としている。

 切削関係の技術は三菱電機は保有していないが「切削モジュールについてはパートナーを募り、協業により実現する」(同)としている。これらの一連の工程モジュールをそろえた形で2020年に商品化することを目指している。

 価格については「一般的には金属3Dプリンタを使用するには、製品として1kg当たり2〜3万円以上の価格帯でなければ採算が取れないとされている。結果として航空機業界向けや医療機器向けなどに用途がしぼられてきた。製品化時に実現できるかどうかは分からないが、工程全体の自動化などで採算性をよくすることで、将来的には自動車業界などで使用できる領域に持っていきたい」と考え方を示している。

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造形サンプル(クリックで拡大)

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