主軸台移動形CNC自動旋盤をモデルチェンジ、医療機器や自動車部品用途を想定:FAニュース
シチズンマシナリーは、主軸台移動形CNC自動旋盤シンコム「M32」の3機種を発表した。ベースからフルモデルチェンジを実施した新モデルで、加工効率と精度を向上させる数々の機能に加え、ユーザビリティにも優れる。
シチズンマシナリーは2018年9月11日、主軸台移動形CNC自動旋盤シンコム「M32」を発表した。「M32V型」「M32VII型」「M32VIII型」の3機種で、2019年4月から販売する。月にM32合計で15台を生産する予定だ。
M32は「くし刃+タレットの構成」というMシリーズの特長はそのままに、ベースとなるベッドから構造を改めて見直しフルモデルチェンジした新モデル。医療機器や精密機器、油空圧機器、自動車の部品加工用途を想定する。
従来機と比較して、正面、背面主軸では出力を約1.5〜2倍、タレット回転工具モーターの最大トルクを2倍以上高めることで生産性を向上し、重切削を可能にした。加工する回転工具だけを駆動させるタレットのシングルドライブにより、加工工具へ的確に動力が伝達し、効率と精度が向上。ツーリング寿命も延びた。また、主軸切り替え仕様を標準装備としたため、長尺加工に適したガイドブッシュ式と、残材の長さを短縮するガイドブッシュレス式の2つの方式が切り替え可能となった。
最上位機種M32VIII型は、B軸(Y軸に対する傾斜軸)の機能が向上している。複数の角度を持つ斜め加工やヘリカル補間加工など、さまざまな斜め加工に対応する。B軸の可動範囲が150度と、背面主軸への加工も可能なため、加工の幅が広がり、正面主軸に偏りがちだった加工工程配分の自由度が向上する。
操作盤には、新しいヒューマンマシンインタフェースを搭載。15インチのタッチパネルで操作しやすく、全ての作業者が見やすいよう、操作盤の配色にユニバーサルデザインを採用した。また、運転準備画面からタレットツーリング形式が選べる選択式ツールセットにより、段取りやプログラム作成時間が短縮する。
さらに、扉を閉めた状態でも切削点が見えるように、従来機に比べガラス部分を65%拡張。ツールの取り付けを容易にする広い作業スペースを設けるなど、使いやすさも配慮されている。
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