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大手サプライヤーとIT企業の車載セキュリティ協業が進む、デンソーと野村総研も車載セキュリティ

デンソーと野村総合研究所子会社のNRIセキュアテクノロジーズは、車載電子製品のセキュリティ診断を中心としたサイバーセキュリティ事業を行う共同出資会社を設立することで合意した。

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 デンソーと野村総合研究所子会社のNRIセキュアテクノロジーズは2018年9月27日、車載電子製品のセキュリティ診断を中心としたサイバーセキュリティ事業を行う共同出資会社を設立することで合意したと発表した。新会社の社名は「株式会社NDIAS」で、両社がそれぞれ50%出資し、2018年12月に設立する予定である。

 NDIAS(エヌディアス)は資本金1億円で本社を東京都内に置く。代表は橋本幸典氏が務める。新会社では、これまでデンソーが培った車載品質や車載に適したサイバーセキュリティ技術開発のノウハウと、野村総合研究所グループのセキュリティ事業の中核を担うNRIセキュアテクノロジーズが金融システムや重要インフラ、民生機器の分野で培ったセキュリティ診断、コンサルティング事業のノウハウを生かし、ホワイトハッカーとして自動車の開発段階から量産後に必要となる対応まで一貫した車載電子製品のセキュリティ診断とコンサルティング業務を行う。

 自動運転車やコネクテッドカーの時代が間近に迫り、多種多様なものが自動車とつながることで、外部からのハッキングなど新たな脅威が生まれつつある。それに伴い、自動車向けのサイバーセキュリティ要件についても、国際標準化に向けた議論が進められている。日本でも、2020年度中の自動運転実用化を目指し、自動車メーカーを対象にしたサイバーセキュリティ対策の義務化、法制度化が検討されている。

 このような状況下で、自動車の開発段階から量産後までライフサイクル全体でセキュリティ診断や解析を行う必要が出てくるとともに、常に進化を続けるサイバーセキュリティの新たな脅威に対応するためには、開発者や設計者とは異なる第三者による攻撃者視点での評価、診断が求められるようになる。デンソーとNRIセキュアテクノロジーズは、これらの需要に対応するために新会社の設立を決定した。

カルソニックカンセイやパナソニック、住友電工なども

 今回のNDIAS以外でも、大手ティア1サプライヤーとIT企業による車載セキュリティの協業が続いている。例えば、カルソニックカンセイは2017年7月、フランスのセキュリティ関連企業のQuarkslabと折半出資で車載セキュリティの脅威分析やゲートウェイの開発などを手掛ける合弁会社としてWhiteMotion(ホワイトモーション)を設立している。2018年2月には、パナソニックとトレンドマイクロが、自動運転車やコネクテッドカー向けのサイバーセキュリティソリューションの共同開発について発表している。また、同月に発表された住友電気工業とNECによるモビリティ事業の協業では、コネクテッド領域でセキュリティが課題に挙げられている。

 また、欧州の大手ティア1サプライヤーであるコンチネンタル(Continental)は、買収によって傘下に収めたエレクトロビット(Elektrobit)やアーガス(Argus Cyber Security)と協力してコネクテッドカーにエンドツーエンドのセキュリティを提供する方針を示している。

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