完全自動化だけが物流のスマート化じゃない、既存設備生かす協働ロボットを提案:国際物流総合展2018
GROUNDは、「国際物流総合展2018」の大和ハウス工業ブースにおいて、自律型協働ロボット「AMR(Autonomous Mobile Robot)」を用いた物流施設におけるピッキング業務のデモンストレーションを披露した。
GROUNDは、「国際物流総合展2018」(2018年9月11〜14日、東京ビッグサイト)の大和ハウス工業ブースにおいて、自律型協働ロボット「AMR(Autonomous Mobile Robot)」を用いた物流施設におけるピッキング業務のデモンストレーションを披露した。
2015年4月創業のGROUNDは、物流をスマート化するためのAI(人工知能)ソフトウェアやロボット、可視化ツールなどを展開しているベンチャー企業だ。中でもロボットについては、物流施設内での作業をほぼ自動化する「GTP(Goods-to-Person)」に加えて、ロボットと人が協働して物流の効率化を目指すAMRの展開を図っている。「大手企業はGTPの導入を始めているが、初期投資が大きい上に、倉庫レイアウトの大幅な変更、物流プロセスの再構築なども必要になる。AMRは、導入は完了した後のGTPほど生産性が高くなるわけではないが、既存の物流施設や物流プロセスを生かすことができる。初期投資もGTPほど大きくはない」(GROUNDの説明員)という。
デモで披露したAMRは、物流施設内の移動のため床面に磁気テープやバーコードなどを設置する必要がなく、LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)とSLAM(Simultaneous Localization and Mapping:自己位置推定と 環境地図の同時作成)技術によって自律移動することが可能だ。中国のHIT ROBOT GROUPとの提携に基づいて開発を進めている。「HIT ROBOT GROUPの優れたロボット技術を物流システムに合わせ込んでいく。2020年3月までには、AMR用いた物流ソリューションの国内提供を始めたい」(同説明員)という。
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