AIを活用して倉庫内作業の要員マネジメントを最適化するサービス:製造ITニュース
NECは、同社のAI技術群「NEC the WISE」を活用して倉庫内作業における要員マネジメントを最適化する「物流リソースマネジメントサービス」を2019年1月より提供する。
NECは2018年9月6日、同社のAI(人工知能)技術を活用し、倉庫内作業での要員マネジメントを最適化する「物流リソースマネジメントサービス」を2019年1月より提供すると発表した。
同サービスは、同社のAI技術群「NEC the WISE」を活用し、倉庫内作業での要員のリソース計画や要員の適性に合わせた業務アサイン、また、作業負荷状況に合わせた動的な要員の配置を実現するものだ。
従来、ベテラン管理者が経験を基に行っていた荷物量の予測を、NEC the WISEの1つである「異種混合学習技術」を活用して、過去の出荷・入荷実績や気象情報などの外部データを基に高精度に予測。要員リソースの算定における負担軽減や属人性の排除により要員計画を高度化する。
また、2019年度上期に提供予定の要員の適性に合わせた業務アサインの機能は、業務内容、時間、場所、商品特性などを基に、要員の適性に合った業務をマッチングする。管理者が過去の作業実績から要員の資質と与えられた業務に対する成果などの情報を入力し、NEC the WISEの1つである「RAPID機械学習技術」に組み込み分析し、最適なアサインを可能にする。
さらに、AIを活用した倉庫内の負荷状況分析によって動的な要員配置を実現する。NEC the WISEの1つである「自律適応制御技術」を活用し、現場の負荷状況をリアルタイムに把握。残作業と直近の生産性に応じた要員配置を自動でレコメンドする。作業待ちを抑制し、管理者不在時でも負荷状況に合わせた動的な要員配置を実現するとともに、全体最適によるチームワークの最大化も期待できる。
2018年7月には、日通NECロジスティクスにおいて同サービスの実証を行い、余剰要員の削減、シフトの組み換えによる残業の抑制、動的な配置変更によるスループットの向上など、特定のエリアや期間において約10%の生産性向上効果を確認した。
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