養殖現場へAIとIoTを導入、作業効率化を図る:製造業IoT
近畿大学水産研究所、豊田通商、日本マイクロソフトは、養殖現場での稚魚の選別作業向けに、AIやIoTを利用した「稚魚自動選別システム」を開発し、実証実験を開始した。2019年3月までに本番環境への実装を目指す。
日本マイクロソフトは2018年8月21日、近畿大学水産研究所、豊田通商と共同で、養殖現場での稚魚の選別作業向けにAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を利用した「稚魚自動選別システム」を開発し、実証実験を開始したと発表した。2019年3月までに本番環境への実装を目指す。
近畿大学水産研究所は、研究の一環として、マダイ稚魚の生産販売に取り組んでいる。しかし、稚魚の出荷時の選別作業は専門作業員の経験と集中力に依存しており、稚魚選別の自動化が課題となっていた。
今回3者は、いけすから稚魚を吸い上げるポンプの流量調節をリアルタイムで自動化するシステムを開発。AIを用いて、ベルトコンベア上の魚影面積と隙間面積を画像解析し、一定面積当たりの稚魚数を分析する。さらに、作業員のワークロードを機械学習させ、選別作業に最適な流量になるようポンプを自動調節する。
開発に際し、豊田通商はシステムのハードウェア設計とプロトタイプ構築を担当。日本マイクロソフトは、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のIoT機能、およびAI機能の「Cognitive Service」と「Machine Learning」を活用し、流量調節の自動化システムを開発した。
今後は、画像解析と機械学習を組み合わせ、生育不良の個体を取り除く作業の自動化を計画している。最終的に、一連の選別作業をITで自動化・機械化し、作業員の業務負担の軽減や業務改善を目指すとしている。
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