アジアから世界へ、拡大続ける分析機器の総合展が開幕:JASIS2018
日本分析機器工業会(JAIMA)と日本科学機器協会(JSIA)は2018年9月5日、共同で主催している分析機器・科学機器の専門展示会「JASIS 2018」(2018年9月5〜7日、千葉県・幕張メッセ)の開催に合わせて記者会見を開催。国際化を進め、分析機器・科学機器の世界主要展示会として成長を進める方針を示した。
日本分析機器工業会(JAIMA)と日本科学機器協会(JSIA)は2018年9月5日、共同で主催している分析機器・科学機器の専門展示会「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show 2018」(2018年9月5〜7日、千葉県・幕張メッセ)の開催に合わせて記者会見を開催。国際化を進め、分析機器・科学機器の世界主要展示会として成長を進める方針を示した。
「JASIS」は日本分析機器工業会と日本科学機器工業会が共同開催する分析機器や科学機器に特化した展示会で、アジア最大級の規模を誇る。2018年はテーマを2017年と同じく「未来発見。」とし、出展社数は494社、出展小間数は1462コマとなった。過去最高となった2017年には及ばなかったものの高水準の出展数を維持した。
主催団体の1つである日本分析機器工業会 会長の栗原権右衛門氏(日本電子 代表取締役社長)は「グローバル化などのテーマを過去にも何度も訴えてきたが、2018年はさらにこれらを強化する。従来も『JASIS』はアジアでのこの分野のハブとなる展示会だということを訴えてきたが、米国の『PITTCON』やドイツの『analytica』などを見ても、決して引けを取らない独自の特徴を持っている。これからは世界をけん引する展示会の1つとして打ち出していけるように発信を進めていきたい」と考えを述べている。
実際にJASIS2018では、海外17カ国からの出展社が参加。さらにインターナショナルセッションなども4セッション開催される他、新技術発表会でも5セッションが海外企業によるものとなっており、国際色は徐々に高まってきているといえる。さらに次世代ヘルスケアやバイオ医薬、先進診断などに特化した展示ゾーン「ライフサイエンスイノベーションゾーン」では、グローバル合同セッションなども予定。PITTCONやETC(Enabling Technologies Consortium)などと協力し、グローバル創薬とバイオサイエンスの役割などをテーマとして、クライオ電子顕微鏡や質量分析の課題などについて説明する。これらの取り組みもあり、ライフサイエンスイノベーションゾーンには過去最多となる75社、102コマの出展が集まっている。
また、ソリューションをベースとした講演企画であるオープンソリューションフォーラムはJASIS2018で3年目となる。のべ参加者は2016年が850人だったのに対し、2017年は1600人とほぼ倍増。2018年もさらに増える見込みだという。テーマを「フタレート規制」「香りとにおい」「次世代電池」とより具体的なものに設定し、より絞り込んだ形での訴求を強めている。
日本分析機器工業会でJASIS委員長を務める長谷川武義氏は「2017年は環境規制、食品のおいしさ調査、自動車とやや広めのテーマ設定を行っていたが、より具体的だった食品のおいしさ調査に来場者が集中する状況が起こった。そこで2018年はテーマを絞り込むことにした」と狙いについて述べている。
リアルとWebのハイブリッド展示会へと進化
さらに、2017年から取り組み始めたWeb上で展示会を体験できる「JASIS WebExpo」は、さらに取り組みを強化した。長谷川氏は「当初は3カ年計画を考えていたが、2017年の結果が4000人以上の来場があり、さらにコンテンツ閲覧ののべ数が1万8000を超えるなど、期待以上の成果を得ることができた。そのため、2018年は当初の予定を早めて企業出展ブースなどを用意。14社が出展した」とJASIS WebExpoについての手応えを語っている。2018年以降は「さらに拡大を進めていく。ただ、Webだけではなく、リアルも重要。自動車と同様、ハイブリッド化を進めていく」(長谷川氏)としている。
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