旋盤、立形マシニングセンタなどを生産する台湾の新工場稼働:工場ニュース
オークマは、台湾新北市鶯歌区に建設していた大同大隈新工場の稼働を2018年8月から開始した。新工場ではGENOSブランド製品の高効率生産、増産を図っていく。
オークマは2018年8月3日、中華民国(台湾)新北市鶯歌区に建設していた大同大隈新工場の稼働を同月から開始したと発表した。旋盤、立形マシニングセンタなどのGENOSブランド製品の高効率生産、増産を図っていく。
新工場の総床面積は、旧工場比1.8倍の1万4300m2に拡張。事務所、ショールームは1760m2だ。投資額は日本円換算で6億2500台湾ドル(約23.2億円)。旧工場の老朽化に加え手狭だったことから、新たな土地にIoTを活用したスマートファクトリーを建設するに至った。
1つの工場内で、部品加工から組み立てまで行う自己完結一貫生産体制を構築。生産効率を高め、生産能力を従来の1.5倍となる月産200台から300台へと拡大する。
加工設備の増強と自動化の推進により、部品加工能力を5倍に増強し、部品加工の内製化を拡大。オークマ生産方式を導入し、新工場で加工する機械部品を組み立て工程と同期を取りながら、機械組み立てに必要な部品、ユニットを組み立て着手に合わせて配膳し、組み立て効率を向上する。
また、同社のスマートマニュファクチャリング技術をパッケージ化した「Connect Plan」で工場内の加工設備を接続し、機械の稼働状況と生産進捗を監視。稼働停止の原因分析を行い、機械稼働率の向上を図る。
新たに設置したショールームでは、オークマ製の5軸制御マシニングセンタや複合加工機などのプレミアム・プロダクトおよびGENOS製品を展示。販売、技術、サービス体制も強化し、台湾、アジア市場での販売拡大を図る。
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