2018年の自動車初期品質調査、品質トップはダイハツ、最下位はアウディ:製造マネジメントニュース
J.D.パワージャパンは2018年8月22日、2018年の自動車初期品質調査(Initial Quality Study)の結果を発表した。ブランドごとの不具合指摘件数が最も少なかったのはダイハツ工業だった。次いでホンダ、Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)が上位にランクインした。15ブランド中、最も不具合指摘件数が多かったのはAudi(アウディ)だった。
J.D.パワージャパンは2018年8月22日、2018年の自動車初期品質調査(Initial Quality Study)の結果を発表した。国内におけるブランドごとの不具合指摘件数が最も少なかったのはダイハツ工業だった。次いでホンダ、Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)が上位にランクインした。15ブランド中、最も不具合指摘件数が多かったのはAudi(アウディ)だった。
調査では新車を購入後2〜9カ月経過したユーザーを対象に、8分野223項目で不具合の経験を聴取した。調査実施期間は2018年5〜6月で、回答者は2万2387人。8分野は「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ」「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション」「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」となる。全ての不具合項目を100台当たりの不具合指摘件数(PP100=Problems Per 100vehicles)として集計し、数値が低いほど品質が高いことを示す。
業界平均の不具合指摘件数は67PP100となり、2016年や2017年の結果と比較して件数が減少し、品質が改善した結果となった。不具合の指摘はほぼ全ての分野で減少した。分野別では、内装は前年比2.4件減の14.1PP100、エンジン/トランスミッションは同1.6件減の6.6PP100となり、大きく改善したとしている。車両タイプ別では、ラージセグメントとミニバンセグメントの改善が顕著だった。
内装は不具合指摘件数が多い分野であるものの、室内の不快なにおいに関する不具合指摘の減少が改善に寄与した。内装に次いで不具合指摘件数が多かったのは、装備品/コントロール/ディスプレイ(10.9PP100)、オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(10.2PP100)という結果だった。オーディオ関連の不具合指摘件数は前年から0.2件増加した。主に指摘されたのは、ナビゲーションシステムの使いにくさや分かりにくさ、搭載位置の問題で、故障や精度に関する不具合の指摘は減少したとしている。
ブランド別の品質ランキングも発表した。業界平均の67PP100よりも不具合指摘件数が少なかったのは、ダイハツ工業、ホンダ、メルセデスベンツ、トヨタ自動車、レクサスの5ブランドだった。日産自動車は業界平均と同じ67PP100だった。スズキ、三菱自動車、SUBARU(スバル)、BMW、マツダ、MINI、Volvo Cars(ボルボ)、Volkswagen(VW)、アウディは平均を上回って不具合指摘件数が多い結果となった。
車両タイプ別の品質ランキングは下表の通り。
車両タイプ | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
軽自動車 | ホンダ N-WGN | ダイハツ工業 キャスト | ダイハツ工業 ウェイク |
コンパクト | ダイハツ工業 トール | トヨタ自動車 ルーミー | トヨタ自動車 アクア |
ミッドサイズ | 日産自動車 リーフ | ホンダ シャトル | トヨタ自動車 プリウス |
ミニバン | トヨタ自動車 ノア | トヨタ自動車 シエンタ | ホンダ ステップワゴン |
ラージ | 対象モデル数が不十分なため非公表 |
同調査と併せて先進運転支援システム(ADAS)など新技術の装備率や関心も聴取した。その結果、ADAS関連の装備率が上昇しており、レーンキープアシストは前年比13.9ポイント増の62.4%に、衝突回避システムは同9.9ポイント増の71.6%となった。車両購入の決め手を調査したところ、安全性を挙げた回答は前年比3.1ポイント増の31.3%、先進技術は同2.4ポイント増の18.9%という結果だった。
J.D.パワー オートモーティブ部門 シニアディレクターの川橋敦氏は「安全装備に対する興味関心が高まっていき、使用する消費者も増えていく中、車両の品質を維持し続けることが重要だ」と指摘した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “使えない”クルマの音声認識が“使える”ようになる日は近い
音声認識システム開発の大手・Nuance Communications(ニュアンス)がシリコンバレーで最新技術説明会を開催。車載器とクラウドの双方で音声認識処理を連携して行う「ハイブリッド」方式のデモを行った。さらに、人工知能技術の活用により、Appleの「Siri」をはるかに上回るレベルの音声認識技術も開発中だという。 - 運転に慣れている人にこそ、意外と役立つ運転支援システム
2009年まで、日本では衝突する前に完全に停止する自動ブレーキが法規制で認められていなかったが、今や部分的ながら自動運転システムも利用されるようになった。後編では、ステレオカメラをはじめとするさまざまなセンサーのおかげで実現した、自動ブレーキ以外の機能について紹介する。 - 最近の軽自動車は高過ぎる? 値上がりの理由お答えします
最近の軽自動車って価格が……と思ったことはありませんか。「昔はこのくらいの値段で売っていたのに」「モデルによっては普通車よりも高額になるなんて」と常々感じる方もいらっしゃるでしょう。本当に軽自動車は高過ぎるのか、具体的な数字を基に検証します。 - ホンダの電動化戦略が本格始動、5人乗りセダンへのこだわりはどう生きるか
ホンダは、5人乗りセダンタイプの新型プラグインハイブリッド車(PHEV)「クラリティ PHEV」を発売する。クラリティ PHEVは、2016年3月に発売した燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」と共通のプラットフォームを採用したクラリティシリーズの1つ。 - 「ソリオ」の独壇場を打ち破れ、トヨタとダイハツが小型ハイトワゴンを新開発
トヨタ自動車とダイハツ工業は、スズキのAセグメントサイズのハイトワゴン「ソリオ」に対抗するモデルを発売した。両側スライドドアの採用や、室内空間を広く確保したデザインはソリオと共通している。燃費はソリオに軍配が上がるが、トヨタ勢は走りの良さを強みとする。 - 「いいクルマになったが値段も高い」、原価低減へ広がるTNGA
トヨタ自動車は2018年8月3日に開催した決算会見で、“もっといいクルマづくり”のための構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の取り組みの現状を紹介した。