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「ソリオ」の独壇場を打ち破れ、トヨタとダイハツが小型ハイトワゴンを新開発車両デザイン(1/2 ページ)

トヨタ自動車とダイハツ工業は、スズキのAセグメントサイズのハイトワゴン「ソリオ」に対抗するモデルを発売した。両側スライドドアの採用や、室内空間を広く確保したデザインはソリオと共通している。燃費はソリオに軍配が上がるが、トヨタ勢は走りの良さを強みとする。

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 トヨタ自動車とダイハツ工業は2016年11月9日、欧州の車両サイズでAセグメントに属する、2列シート5人乗りの新型ハイトワゴンを発売した。ダイハツ工業が企画、開発から生産までを担い、トヨタ自動車にOEM供給する。同タイプ車両の国内市場は、スズキ「ソリオ」の独壇場となっている。

 ダイハツ工業とトヨタ自動車の4系列それぞれの販売店で取り扱う。ダイハツ工業は「トール」、トヨタ自動車は「ルーミー」(トヨタ店、トヨタカローラ店)「タンク」(トヨペット店、ネッツ店)として販売する。月販目標は、ダイハツ工業が1000台、トヨタ自動車が4つの販売店系列全体で7500台で、合計8500台を計画している。ダイハツ工業の池田工場で生産する。

 税込み価格は146万円から。JC08モード燃費は前輪駆動(FF)モデルで24.6km/l(リットル)。エンジンは排気量1.0lで、自然吸気(NA)とターボの2種類をそろえる。

ソリオトール スズキ「ソリオ」(左)とダイハツ工業「トール」(右)(クリックして拡大) 出典:スズキ、ダイハツ工業
ルーミータンク トヨタ店とトヨタカローラ店で扱う「ルーミー」(左)。トヨペット店とネッツ店で販売する「タンク」(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

燃費はS-エネチャージのソリオに軍配

 スズキは2015年8月にソリオの全面改良を実施。軽自動車に展開してきた「S-エネチャージ」を“マイルドハイブリッド”と呼称する広告を展開し、ハイブリッド車として販売してきた。月販目標3500台に対し、2015年9月から2016年8月までの1年間で約4万8000台、月平均約4000台を売り上げている。

 ソリオとトール/ルーミー/タンクの燃費を比較すると、ソリオに軍配が上がる。ソリオのJC08モード燃費は、マイルドハイブリッド(S-エネチャージ)搭載のFFモデルで27.8km/l、S-エネチャージなしのFFは24.8km/lだ。一方、トール/ルーミー/タンクの燃費はNAエンジンのFFモデルで24.6km/l、ターボエンジンのFFモデルで21.8km/lだ。

 今回搭載するエンジンのうち、排気量1.0lのNAエンジンは「パッソ/ブーン」「ヴィッツ」などと共通だ。ターボエンジンは新規に開発したもので、排気量1.5lのNAエンジン(トヨタ自動車では「シエンタ」「カローラ」に搭載)に相当する最大トルク140Nmを2400〜4000rpmで発揮する。

 ソリオのエンジンは排気量1.2lで、S-エネチャージの有無でグレードが分かれている。S-エネチャージの有無に関わらず最大トルクは118Nm/4400rpm。トール/ルーミー/タンクの排気量1.0lターボエンジンには走りで劣るといえそうだ。

 価格を比較すると、スズキのマイルドハイブリッドシステムがコスト面で優位に立つ。ソリオはS-エネチャージなしで145万円から、S-エネチャージありは169万円からとなっている。トール/ルーミー/タンクはNAが146万円から、ターボモデルが180万円からだ。

「ソリオ ハイブリッド」の投入はいつ?

 スズキは東京モーターショー2015において、フルハイブリッドシステムを搭載した「ソリオ ハイブリッド」を出展しており、同車種のガソリンエンジンモデルと比較して30%向上する目標を立てている。ソリオ ハイブリッドは当初、2016年内の発売を予定していた。

 しかし、スズキは国内向けの車種で燃費測定試験に必要な走行抵抗値を正規に測定していなかったため、同社テストコースにて国土交通省が定める方法で測定し直す作業に追われていた。そのため、新型車の開発に遅れが出ているとみられる。ソリオのフルハイブリッドモデルを投入できれば、トール/ルーミー/タンクと大きく差別化が図れるといえる。

トールの運転席トールの室内 トールの運転席(左)と室内(右)(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業
ソリオの運転席ソリオの室内 ソリオの運転席(左)と室内(右)(クリックして拡大) 出典:スズキ

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