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電子線滅菌技術を用いた医薬・再生医療向け滅菌装置:医療機器ニュース
日立造船は、電子線滅菌・除染パスボックスを開発し、医薬・再生医療分野を対象に販売する。シャーレなどの培養器具や環境モニタリング資材などを、従来の10分の1以下の時間で滅菌・除染できる。
日立造船は2018年6月22日、電子線滅菌・除染パスボックスを開発し、医薬・再生医療分野を対象に販売すると発表した。シャーレなどの培養器具や環境モニタリング資材などを、従来の10分の1以下の時間で滅菌・除染できる
同社の電子線滅菌技術を採用し、シャーレなどの培養器具に上下から電子線を照射して、滅菌・除染する。一般的なシャーレの場合、過酸化水素ガスなどを用いる従来方式では滅菌・除染処理時間が4時間程度だったが、同装置では数分程度に短縮でき、作業の簡素化も図れる。
また、低出力で小型の電子線発生装置を用いており、省スペースで高効率な滅菌・除染が可能だ。装置の寸法は830×320×2200mm。薬剤や水を使用しないドライ方式のため、環境負荷が少なく、薬剤の残留リスクもない。
開発に当たり、同社が大阪大学工学部 教授の紀ノ岡正博氏らと共同でシステムを構築。同社および日揮と共同で開発した。
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