24GHzレーダーを利用したバイタルセンサー・プラットフォームを開発:医療機器ニュース
アナログ・デバイセズとサクラテックは、24GHzレーダーベースのバイタルセンサー・プラットフォームを共同開発した。対象者に接触することなく、複数の対象者の心拍・呼吸を長時間にわたってモニターできる。
アナログ・デバイセズは2018年6月6日、サクラテックと共同で、24GHzレーダーベースのバイタルセンサー・プラットフォームを開発したと発表した。対象者に接触することなく、複数の対象者の心拍・呼吸を長時間にわたってモニターできる。病院や介護施設での健康状態の管理や、ビル内部の人員検知、動線管理などへの応用が期待される。
同システムは、アナログ・デバイセズのレーダー向けチップセットと、サクラテックの24GHz MIMO FMCWレーダーモジュール「miRadar8」などで構成。MIMO FMCW 24GHzのレーダーを活用し、±45度の方位角において一度に複数の対象者の生体情報を測定できる。対象者はどのような向きからも検出でき、非接触でモニタリングするため、対象者に負担をかけず、長時間連続してモニターが可能だ。
また、カメラを使用しないため、プライバシーの侵害もない。クラウドサービスと連携させて「センサーTOクラウドシステム」を構築し、機械学習などを活用したより高度なデータ分析解析もできる。
活用するチップセットは、周波数シンセサイザーの「ADF4159」、送信部MMICの「ADF5901」、アナログフロントエンドの「ADAR7251」、受信部MMICの「ADF5904」で構成され、アンテナ部からデジタル信号処理部まで信号の流れを全てカバーする。
miRadar8の量産価格は8万円(10台単位、税別)で、ソフトウェアライセンス費用が別途必要となる。評価用キット「miRadar8 EV-2」VSMソフトウェア付きは定価75万円(税別)。データ分析用クラウドサービス「miRadar8 VSM cloud data service」の価格は個別相談となっている。これらは、サクラテックおよびその代理店を通じて販売される。
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