ハブベアリングで前輪の向きを変える、ステアリング操作の応答速度が1.5倍に:電動システム
NTNは「人とくるまのテクノロジー展2018」において、ステアリング補助機能を持たせたハブベアリング「sHUB」を発表した。ドライバーの操舵(そうだ)に応じて、FR(後輪駆動)車の前輪に搭載したハブベアリングのアクチュエーターがタイヤの転舵角度を調整する。
NTNは「人とくるまのテクノロジー展2018」(2018年5月23〜25日、パシフィコ横浜)において、ステアリング補助機能を持たせたハブベアリング「sHUB」を発表した。ドライバーの操舵(そうだ)に応じて、FR(後輪駆動)車の前輪に搭載したハブベアリングのアクチュエーターがタイヤの転舵角度を調整するもので、ステアリング操作の応答速度を従来比で5割向上する。ハイエンドのスポーツカーなどに向けて提案し、2027年の製品化を目指す。
現在のステアリングシステムは、ステアリングを切り始めてから実際にタイヤの向きが変わるまで若干のタイムラグがある。sHUBはステアリングの操作角度や車速の情報を受けて、左右のタイヤの転舵角度を調整することで、ステアリングの操作と同時に曲がることができるようにする。最大転舵トルクは350Nmで、±3.5度の範囲で転舵角度を調整。ステアリングを速く切る時には転舵のアシストを増やし、ゆっくり操作する場合にはアシストを少なくする。
sHUBは既存のステアリング装置を変更せずに前輪の転舵・懸架装置に取り付け可能だ。コーナリング性能や直進安定性を向上させるとともに、危険回避時などで車両の姿勢の安定にもつながる。また、神奈川工科大学と車両運動制御で共同研究を行った結果、sHUBによって車線変更時の操舵角が4割減少することが分かったという。
今後は、FF(前輪駆動)車の前輪にも搭載できるよう、モーターの位置などレイアウトを検討していく。
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