次世代電気自動車用2モーター駆動システム、NTNが2025年に売上高15億円目指す:東京モーターショー2015
NTNは、「東京モーターショー2015」において、新商品の電気自動車用2モーター駆動システムと後輪駆動車向けのリア用軽量ドライブシャフトを紹介した。
NTNは2015年10月29日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)のプレスブリーフィングおいて、電気自動車向けの「2モーターオンボード駆動システム」を紹介した。
2モーターオンボード駆動システムは、左右2組のモーターと減速機を組み込んだモーター駆動装置とインバーターで構成される左右の車輪を、それぞれ専用のモーターで駆動することでトルクベクタリングを実現したシステムだ。車両の走行状態に応じて左右の駆動力を制御できるため、旋回性能やスリップ路面での走行性能が大きく向上したという。
具体的には、スラローム走行時におけるヨーレートの応答遅れを約5分の3に低減した他、スリップ路面走行時における走行軌跡の目標からの偏差を半分以下に抑制した。NTNは、2025年に年間15億円という売上高目標を掲げている。
30%の軽量化を実現したリア用軽量ドライブシャフト
プレスブリーフィングに登壇した同社 常務執行役員 自動車事業本部・EVモジュール事業本部 副本部長の亀高晃司氏は、2015年10月27日に発表した「リア用軽量ドライブシャフト」についても紹介した。
同製品は後輪駆動車向けのドライブシャフトで、従来比30%の軽量化を達成し、低燃費化に貢献するもの。タイヤ側の固定式等速ジョイントとデフ側のスライド式等速ジョイントを新しく設計し、その間をつなぐ中空シャフトを薄く、等速ジョイントを覆う部位はコンパクトブーツを採用している。等速ジョイントだけではなく、主要部品全てに形状最適化を図り、軽量・コンパクト化を実現したという。
亀高氏は2018年3月に迎える創業100周年に向けた中期経営計画「NTN100〜NTN Transformation for Next 100〜」を引き合いに出し、「攻める、稼ぐ、築くという三本を軸に開発に取り組んで行きたい」と語った。
関連記事
- 次世代電気自動車はトルクベクタリングが可能に、NTNが駆動システムを一括提供
NTNは、次世代電気自動車向けに、左右の車輪をそれぞれ専用のモーターで駆動する「2モータオンボード駆動システム」を開発した。「東京モーターショー2015」で公開する。2025年度に年間15億円の売上高を見込んでいる製品だ。 - 横方向に走りその場で回る電気自動車、世界で初めてナンバーを取得
NTNは、独自開発のインホイールモーターシステムを搭載する電気自動車「Q’mo(キューモ)」が軽自動車のナンバープレートを取得し、公道走行が可能になったと発表した。キューモは、その場回転や横方向移動が可能で、「このような従来にはない動きをする自動車がナンバープレートを取得したのは世界初」(NTN)だという。 - NTNがステアリング用MCUを開発、新型「スカイライン」のステアバイワイヤに採用
NTNは、新型「スカイライン」のステアバイワイヤシステム「ダイレクトアダプティブステアリング」向けに、「自動車次世代ステアリング用MCU(Mechanical Crutch Unit)」が採用されたと発表した。 - インホイールモーター搭載超小型EVはシザーウイング、アニメ映画祭でデビュー
NTNは、独自開発のインホイールモーターシステムを搭載する超小型電気自動車(EV)「TOO’in(トゥーイン)」を新たに開発し、フランスのアヌシー市と共同で実施する公道での実証実験に使用すると発表。同市で開催された「アヌシー国際アニメーション映画祭」でお披露目された。 - 原付四輪でも軽自動車でもない、インホイールモーター超小型EVがナンバー取得
NTNは、独自開発のインホイールモーターシステムを搭載する2人乗り電気自動車(EV)が、「超小型モビリティ」としてナンバーを取得したと発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.