スマートファクトリーとデジタルプラント領域を強化、AR販売パートナーも拡充:製造業IoT
シュナイダーエレクトリックは2018年5月18日、同社のユーザーイベント「Innovation Summit Tokyo 2018」に合わせ国内に向けた取り組みを紹介。「スマートファクトリー」「デジタルプラント」「ハイパフォーマンスデータセンター」の3つの分野を強化していく姿勢を示した。
フランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2018年5月18日、同社のユーザーイベント「Innovation Summit Tokyo 2018」に合わせ国内に向けた取り組みを紹介。「スマートファクトリー」「デジタルプラント」「ハイパフォーマンスデータセンター」の3つの分野を強化していく姿勢を示した。
シュナイダーエレクトリックが、国内において各領域の製品やサービスを一堂に集めてイベントを開催するのは初めてのこととなる。シュナイダーエレクトリック インターナショナルオペレーションズ エグゼクティブバイスプレジデント Luc Remont(リュック・レモン)氏は「グローバルでは毎年さまざまな地域で開催してきたイノベーションサミットだが、今回初めて日本で開催した」と述べ“1つのシュナイダー”を強調した。
グローバルでは「Powering and Digitizing」をテーマとし、デジタル化を通じてエネルギー効率の改善を実現することを目指す。これらを実現する包括的なテクノロジーアーキテクチャとしてたIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」を展開。これを6つのドメインで展開している。
日本では3分野を強化
これらのグローバルの取り組みの一方で日本では「スマートファクトリー」「デジタルプラント」「ハイパフォーマンスデータセンター」の3分野での取り組みを強化する。それぞれの領域において最適化された「エコストラクチャー」を展開。スマートファクトリー向けでは「EcoStruxure Machine」、デジタルプラント向けでは「EcoStruxre Plant」、データセンター向けでは「Ecostruxure IT」を提案する。
「EcoStruxure Machine」は包装機械、ポンプ制御、ホイストクレーン、空調、加工機械、マテリアルハンドリングの6つの分野を中心に取り組む※)。シュナイダーエレクトリック 日本統括代表の白幡晶彦氏は「既に多くのパートナーシップにより検証を進め、ベストプラクティス化したアーキテクチャが各領域に存在する。これらを6つの製品分野に向けて提供する」と述べている。
※)関連記事:グローバル大手が国内FA市場にあらためて攻め込む2つの理由
「EcoStruxure Machine」の1つで、機械の保守を行う「ARアドバイザー」は国内での普及加速を目指し、新たに10社のパートナーと契約。開発用ソフトウェアを提供し、導入拡大を目指す。新しく販売パートナーとなったのは、因幡電機産業、サンセイテクノス、スズデン、高木商会、鳥居電業、日伝、北菱電興、マナ・デザインワークス、明治電機工業、ライト電業で、関東、中部、北陸、関西、中国、四国など全国をカバーできるようにする。
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