再生医療用セラミックス製品に関する世界初の国際規格:医療機器ニュース
物質・材料研究機構の職員が提案した、再生医療用セラミックス製品の評価法に対して、世界初の国際規格が発行された。再生医療用セラミックス製品の評価の一部を適正かつ簡便に進めることができ、動物を用いないため動物愛護にも寄与する。
物質・材料研究機構(NIMS)は2018年4月25日、NIMS職員が提案した再生医療用セラミックス製品の評価法について、世界初の国際規格が発行されたと発表した。
発行された国際規格は、細胞外マトリックスの骨の再生に使用される、生体活性の高いバイオセラミックス多孔体の評価手法や評価基準に関するものだ。バイオセラミックスの評価法については、動物実験を細胞実験に代替する手法が求められていたが、これまで国際標準となる試験法はなかった。
今回、NIMSバイオセラミックスグループ リーダーの菊池正紀氏が、従来にない発想の試験法を発案した。セラミックス多孔体中への細胞の入り込みやすさを測定するもので、産業技術総合研究所や大学、メーカーと検討したところ、同手法が動物実験におけるバイオセラミックス多孔体内での骨形成と相関性を持つことが分かった。
その妥当性を、イギリスやスイスの大学とともに国際ラウンドロビンテストで確認し、2013年4月にISO(国際標準化機構)、TC150(外科用インプラント)、SC7(再生医療機器)、WG3(骨格組織用再生医療機器)に提案した。その後、菊池氏が各国専門家からの意見をすり合わせた結果、2018年1月17日にISO、TC150、SC7では初となる国際規格ISO 19090として発行された。
同規格の発行により、動物を用いずに再生医療用セラミックス製品の評価の一部を適正かつ簡便に進めることができ、動物愛護にも寄与する。また、この試験法は、セラミックス以外の金属やポリマーからなる再生医療製品の評価法としても応用できるため、迅速な材料開発に貢献する。
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