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エッジからクラウドまで、産業別で「価値を生むIoT」を訴えたマイクロソフトハノーバーメッセ2018(2/2 ページ)

マイクロソフトはハノーバーメッセ2018に出展し、エッジからクラウドまでハイブリッドで円滑にデータ連携を実現する価値を訴求。これらの価値を産業別に落とし込み、既に多くの価値を生んでいることを事例を通して示した。

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エッジ領域の充実を訴求

 マイクロソフトでは産業領域においては、データの収納の方法としてクラウドに全てを集約する形ではなく「ハイブリッドが理想だ」とするコンセプトを訴えているが、「Azure Sphere」なども合わせ特にエッジ領域との親和性を強く訴えている。

 その1つとして今回紹介したのが「Azure Industrial IoT Edge Gateway Program」である。これは工場内などで活用し、クラウドなどに接続するIoTゲートウェイをより簡単に高度化できるようにするもので、従来のIoT関連のプログラムから用途を限定していることが特徴である。

 産業グレードのハードウェアでWindowsもしくはLinuxOSが選択可能。またDockerやPythonがインストールされており、Azure IoT Edgeランタイムも既に実装されているということなどが条件となっている。Azure IoT Edgeにより、Azureのさまざまなアプリケーションがエッジ環境でも実現できるようになったが、これらをある程度のパッケージとすることで産業用領域でもより容易に利用できるようにしている。

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「Azure Industrial IoT Edge Gateway Program」を紹介したコーナー(クリックで拡大)

豊田自動織機がフォークリフトの自動走行の事例

 これらの技術紹介だけでなく、ハノーバーメッセ2018では数多くの事例を紹介したことが特徴である。豊田自動織機では、マイクロソフトの協力によりフォークリフト工場のスマート化や、フォークリフトの予防保全でプロジェクトを推進している。これらに加えて、フォークリフトの自動運転などについても現在実証中だとしている。

 これはマイクロソフト・リサーチが開発したオープンソース化したシミュレーター「AirSim」を活用して実証を進めているものだとし、作った空間や仮想空間でフォークリフトが動作する様子を、装着式ホログラフィックコンピュータ「Microsoft HoloLens」を活用して確認することなども可能だという。会場でも多くの人の関心を集めていた。

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仮想空間でのフォークリフトの自動走行の様子。ホロレンズを通してフォークリフトの視点や周辺の視点などで確認が可能(クリックで拡大)

AI活用でトウモロコシの種を選別

 AIを活用した事例として注目を集めていたのが、スイスのBUHLER(ビューラー)のトウモロコシの種の選別である。ビューラーは食品製造加工機械などを製造するメーカーで、今回出展していたのが、トウモロコシの種の不良品の選別をAIを活用してほぼリアルタイムで実施するというものだ。

 事前に学習したAIエンジンをモデル化して機械側(エッジ側)に組み込み、トウモロコシの偽物や形の悪いものなどを選別するというものである。産業領域ではリアルタイム性を重視する傾向が強いため、落下するトウモロコシの種を1つ1つ画像認識し、不良品だけに風を当ててはじくという作業をほぼリアルタイムで行う様子に大きな注目が集まっていた。

photophoto BUHLERの機械(左)と選別したトウモロコシ(右)。プラスチックの偽物が混じっている(クリックで拡大)

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