IoTセキュリティを強化するMCU向け総合プラットフォーム、マイクロソフトが発表:IoTセキュリティ
マイクロソフトは、IoTやエッジデバイスのセキュリティ強化を目指し、マイクロコントローラーユニット(MCU)デバイス向け総合プラットフォーム「Azure Sphere」を発表した。
マイクロソフト(Microsoft)は2018年4月17日、IoT(モノのインターネット)やエッジデバイスのセキュリティ強化を目指し、MCU(マイクロコントローラーユニット)デバイス向け総合プラットフォーム「Azure Sphere」を発表した。同時に、企業向けクラウド製品「Microsoft 365」用のツール「Microsoft Secure Score」「Attack Simulator」を発表するなど、Microsoft 365のセキュリティ機能を強化した。
Azure Sphereは、インテリジェントエッジ上にあるMCUデバイスのセキュリティ強化に向けた、初の総合的なプラットフォームだという。従来比で処理能力が5倍以上になったMCU、IoTセキュリティ向けに構築されたカスタムOS、クラウドセキュリティサービスが含まれている。
Microsoft 365向けツールのSecure Scoreは、サイバー攻撃に対する組織の準備状況を評価し、セキュリティベンチマークスコアを提示する。さらに組み込み型の機械学習機能を使用して、自社と結果が類似する他社とを比較できる。
Attack Simulatorは、Office 365 Threat Intelligenceの一機能。疑似ランサムウェアやフィッシング詐欺などをシミュレーションし、脅威への対応力をテストできる。
その他にも、プレビュー中のWindows 10最新アップデートで、「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」の機能を強化。AIと機械学習を活用した自動検査・修復機能によって、エンドポイントで数秒以内に脅威を検知して対応する。Microsoft 365の「Conditional Access」とも連携し、リアルタイムでリスクを評価、データへのアクセスをコントロールすることも可能になる。
関連記事
- マイクロソフト「Azure IoT」の強みはやはり「Windows 10 IoT」にあり
マイクロソフトのIoT向けクラウドサービス「Azure IoT」は、機能面ではアマゾンの「AWS IoT」と肩を並べている。しかし、Azure IoTの強みは、やはり組み込みOSである「Windows 10 IoT」との連携にこそある。 - 組み込み業界に大インパクト「Amazon FreeRTOS」の衝撃
「AWS re:invent 2017」で発表された「Amazon FreeRTOS」は組み込み業界に大きなインパクトを与えることになりそうだ。ベースとなるオープンソースのMCU向けRTOS「FreeRTOS」、FreeRTOSとAmazon FreeRTOSの違いについて解説する。 - アマゾンよりも面白い?「Mongoose OS」がIoT開発のハードルを下げる
「Mongoose OS」は、IoT機器開発のハードルを下げることを売りにしている開発環境だ。組み込み技術者にもその利点は分かりやすく、Armの「Mbed OS」やアマゾンの「Amazon FreeRTOS」と比べても面白い存在になるかもしれない。 - 遅れてきた本命、グーグルのIoTはアマゾンとマイクロソフトに太刀打ちできるか
これまで、マイクロソフトの「Azure IoT」、アマゾンの「Amazon Alexa」を紹介してきたが、グーグルの動向に触れないわけにはいかないだろう。さまざまなてこ入れ策を打ち出しているグーグルだが、IoTでアマゾンとマイクロソフトに太刀打ちできるのだろうか。 - IoTでマイクロソフトはどういう存在を目指すのか
日本マイクロソフトはIoTに特化したパートナーイベント「IoT in Action」を開催。基調講演におけるマイクロソフトのIoT戦略と、国内のIoTの取り組みを紹介したプレスラウンドテーブルの内容をお伝えする。 - 今後4年間でIoTへ50億ドルを投資――マイクロソフト
Microsoftは、今後4年間でIoT分野に50億ドルを投資すると発表した。IoTとインテリジェントエッジの可能性を拡大し、高度化する顧客要望の支援強化を図る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.