「Edgecross」が基本ソフトとアプリの販売開始、海外展開は2018年中に:スマートファクトリー(2/2 ページ)
Edgecrossコンソーシアムは、エッジコンピューティングの共通基盤である「Edgecross(エッジクロス)」の本格展開開始と合わせて、記者説明会を開催。今後の展望について紹介した。
エッジアプリとデータコレクターは11製品が発売
エッジクロスは、産業用PCにインストールして使用するWindowsベースのソフトウェアである。この基本ソフトウェアに対し、工場などのエッジ領域のデータを取得できるようにするデータコレクター、さらに各種アプリケーションであるエッジアプリケーションを加えて活用する。
価格は基本ソフトウェアが1ライセンス品で税別9万8000円から。10ライセンスでは45万円(税別)とする。その他、現在までに発売が決まっているのが、エッジアプリケーション8製品、データコレクター3製品となっている。KSKアナリティクス、三菱電機システムサービス、三菱電機、セゾン情報システムズ、ジェイティ エンジニアリング、ウイングアーク1st、オムロン、NEC、日本オラクル、NSD、ソフトサービスなどが会員メンバーで製品発売を表明している。各種アプリなどの認証についてはエッジクロスコンソーシアムが行うとしている。
これらを活用可能な推奨産業用PCとしては、アドバンテック、インタフェース、オムロン、コンテック、シーメンス、NEC、日立製作所、PFU、ベッコフオートメーション、ポートウェルジャパン、三菱電機などの製品が対象となっている。
海外展開は2018年内を計画
今後の活動について、エッジクロスコンソーシアムの代表理事である金井正一氏は「基本的には会員企業のビジネスを支援するオープンなコンソーシアムとして運営するため、マーケティング部会やテクニカル部会など部会での議論でさまざまな活動を進めていく」と述べる。これらを前提としつつ、主に以下の4つのポイントを重視した取り組みを進める方針を示す。
- ユースケースの構築
- 会員加入活動の推進
- 海外展開の検討
- エッジクロスの標準化、デファクト化
具体的な目標としては、ユースケース構築については幹事企業を中心に「2018年度内に7つのユースケースを生み出せるようにしたい」(金井氏)とする。会員企業については2018年度内は200、2022年に1000を目指すという。標準化については、IVIやRRI(ロボット革命イニシアティブ協議会)などとの連携を進めながら国際標準へのアプローチを進めていく方針だ。
海外展開については「できる限り早く始めたいが会員企業のビジネス環境にもよるので、部会の中で決めていきたい。2018年内には、どの地域でどのように始めるのかというのを表明したい」と金井氏は述べている。
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