自動車開発におけるCAEやNVHを支援、ホイール6分力計「SWIFT Evo」を販売開始:CAEニュース
東陽テクニカはホイール6分力計「SWIFT Evoシリーズ」を販売開始した。同製品では機能強化や精度向上、GUI改良を行った。低ヒステリシスとクロストーク、優れた非直線性を特長とし、オートバイおよび四輪バギーにも取り付け可能だ。Transducer Electronic Data Sheet(TEDS)も内蔵。CAEによる検証やNVHによる車両解析を支援する。
東陽テクニカは2018年4月20日、ホイール6分力計「SWIFT Evoシリーズ」を販売開始した。SWIFT Evoは自動車の車軸に加わる直交3軸方向の力とモーメントを同時計測できるPiezotronics製のホイール6分力計で、MTS Systems「MTS SWIFT WFT」の後継。アルミ製とチタン製があり、計測対象の車種に応じた5モデルを備える。同製品では機能強化や精度向上、GUI改良を行った。
自動車開発においては、自動運転技術の向上や車体の軽量化、複雑化した制御系といった課題により、CAE活用による正確な解析が求められている。SWIFT Evoではホイールの6分力を正確に計測することで、CAEによる検証やNVH(Noise、Vibration、 Harshness:騒音/振動/ハーシュネス)による車両解析を支援する。
SWIFT Evoは普通車、小型車、オートバイおよび四輪バギー、小型トラック、大型トラックの測定に対応し、低ヒステリシスとクロストーク、優れた非直線性を特長とする。またIP67規格に適合する防水・防塵構造を持つ。「ISO17025」に準拠した校正を備え、Transducer Electronic Data Sheet(TEDS)を内蔵し、測定器型式や製造番号、感度、校正日付などの固有情報を自動取得可能だ。
同製品はロードシミュレーションシステム「MTS329ロードシミュレータ」(MTS Systems製)に直接かつ簡単に取り付けられ、走行テストとラボテストで同一のセンサーを設置可能だ。
PCB Piezotronicsは1967年設立の米国のセンサーメーカーで、2016年にMTS Systemsが同社を買収して100%子会社としている。加速度計やロードセル、インパクトハンマー、トルクセンサーなどセンサー製品を幅広く手掛ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- タイヤの転がり抵抗を測る日本唯一の“原器”は小平市にあった
東京都小平市にあるブリヂストンの中核研究開発拠点「技術センター」には、新たなタイヤを開発するためのさまざまな試験装置が設置されている。同社が報道陣に公開した、タイヤの転がり抵抗を計測する日本唯一の“原器”と呼べるような標準試験機や、時速400kmで走行中のタイヤの接地面を計測できる「アルティメットアイ」などについて紹介しよう。 - 未来のタイヤが19世紀のものと同じ形になる理由
工学院大学が開催したプレス向けセミナーにおいて、同大学 機械創造工学科教授の中島幸雄氏が「将来のタイヤ像を提案する」をテーマに研究内容を紹介。環境規制やエコカーの普及が進む中で「タイヤの形は19世紀のときと同じになる」と語った。 - タイヤの転がり抵抗を測る日本唯一の“原器”は小平市にあった
東京都小平市にあるブリヂストンの中核研究開発拠点「技術センター」には、新たなタイヤを開発するためのさまざまな試験装置が設置されている。同社が報道陣に公開した、タイヤの転がり抵抗を計測する日本唯一の“原器”と呼べるような標準試験機や、時速400kmで走行中のタイヤの接地面を計測できる「アルティメットアイ」などについて紹介しよう。 - AUTOSAR C++コーディングガイドラインへの適合度を評価する解析ツール
東陽テクニカは、ソースコード静的解析ツール「AUTOSAR C++コンプライアンスモジュール」の販売を開始した。車載ソフトウェアのソースコードがAUTOSAR C++コーディングガイドラインにどのくらい適合しているかを評価できる。 - ソースコードの脆弱性をクラウド上で解析できるサービスを提供
東陽テクニカは、ソースコードの脆弱性解析をクラウド上で実施できる「Cxクラウド」の提供を開始した。コンパイル前、ビルド前のソースコードの脆弱性を開発者自身で診断して安全性を早期に把握できるため、修正によるコストを削減する。