IoTによる遠隔監視・見える化を容易に導入できるシステムキット:FAニュース
椿本チエインは、IoTによる遠隔監視を既存の設備に容易に導入できる「MitaMonスターターキット稼働監視パッケージ」を発売した。稼働状態の「見える化」に必要な要素がキットとしてまとめられている。
椿本チエインは2018年4月1日、IoT(モノのインターネット)による遠隔監視や稼働状態の「見える化」を容易に導入できる「MitaMonスターターキット稼働監視パッケージ」を発売した。希望小売価格は「スターターキット」が29万8000円、「増設センサーキット」が9万8000円(いずれも税別)。2018年度に1億2000万円、2020年度に3億円の販売を見込む。
積層信号灯を備えた設備向けで、点灯(点滅)状態を「照度センサーユニット」が検出し、「端末ユニット」からWi-Fiを介して「サーバユニット」に送信する。稼働状態は、スマートフォンやPCのブラウザからサーバユニットにアクセスすることで、遠隔監視できる。
監視ソフト(Webサーバ機能)を標準実装し、稼働情報の集計に活用できるCSVファイル出力機能を搭載。設備停止などが発生した際、関係者に電子メールで通報する機能も備える。
照度センサーユニットは、付属の結束バンドで積層信号灯に取り付けることができる。端末ユニットとサーバユニット間のデータ送信はWi-Fiを利用するため、配線は不要だ。これまでIoTシステム導入の障壁となっていたセンサーの選定、取り付け、ネットワーク整備、監視ソフト開発といった煩雑な作業が不要になる。
1台のサーバユニットに対し、最大10台まで増設が可能。その際は、増設センサーキット(照度センサーユニット、端末ユニット)が必要となる。同社では、用途範囲がより広がるよう、同キットのシリーズ展開を検討している。
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