マルチモダリティによる画像誘導治療環境の新しいコンセプトを発表:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアは、複数モダリティのシステムの融合などにより、治療中にMRI、CT、血管撮影装置をシームレスに利用できるようにする「nexaris Therapy Suites」を発表した。
シーメンスヘルスケアは2018年4月4日、治療中にMRI、CT、血管撮影装置をシームレスに利用できるようにする「nexaris Therapy Suites(ネクサリス セラピー スイート)」を発表した。
低侵襲治療において、CTやMRI、血管撮影装置の画像は重要な役割を担っている。一方で治療中に複数のモダリティ画像を撮影するには、患者を大きく移動させなければならず、患者と術者の負担、安全性への配慮、治療時間の増加などが課題だった。
nexaris Therapy Suitesは、複数のモダリティのシステムを融合したり、患者寝台プラットフォームを共有することで、治療中にMRI、CT、血管撮影装置をシームレスに利用できる。患者の移動を最小限に抑えられ、かつ安全性が高く、操作が容易で快適に高度な治療が可能となる。
同製品には、血管撮影装置とCTを組み合わせたIVR-CT「nexaris Angio-CT」と、X線透視・撮影装置とMRI、CTを組み合わせた「nexaris Angio-MR-CT」がある。
nexaris Angio-CTは、血管撮影装置とCT装置の相対的位置を把握することで、安全かつ素早くCT撮影モードから血管撮影モードへ切り替えられる。CT撮影後、すぐに撮影した3D画像を血管撮影装置の透視画像と重ねて3Dロードマップとして使用できる。
他にも、血管撮影装置の操作コンソールで登録した患者情報をCT装置側に自動転送できる。また、隣接する検査室を仕切る自動扉を2枚にすることで、スライディングガントリCTの格納スペースを作ることもできる(2+1 room Layout)。
nexaris Angio-MR-CTは、X線透視・撮影装置を備えたハイブリッド手術室にMRIやスライディングガントリCTを追加できるものだ。各装置をシームレスに使用するため、GETINGEと共同で新しいMAGNUS手術台を開発。患者を手術台に寝かせた状態のままで、X線透視・撮影装置、CT装置、MRI装置を利用できるようになる。
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