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ドローンのインフラ点検への使用、残る課題と性能評価の意義ドローン(2/2 ページ)

NEDOは「物流・インフラ点検・災害対応ロボットシンポジウム」を開催。無人航空機、水中点検ロボット、陸上ロボットの社会実装加速に向けて、ロボット性能評価指標の研究成果や「福島ロボットテストフィールド」での実証について講演を行った。

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インフラ点検の大敵「風」にどう対するか

 今回各社が実施した実験では主に橋梁などのインフラの各種点検にドローンを使う取り組みが行われた。点検中に、構造物に近づくと風の影響により、ドローンが不安定になることもありその対策も急がれている。橋梁では国土交通省がインフラ点検ロボットの実証を数年前から実施している。そこでは、実際にドローンに点検が任せられるかなどの課題があるという。

 これに対して、橋梁調査会の吉田氏は「橋梁点検に対するロボット活用についてはドローンをはじめさまざまな案が出ている。実務に対して使えそうになってきているのがドローンやアーム型(車両型)、ウォール型などだ」と述べた。ただ、最近実施した高橋脚におけるドローンを使った現地検証では、橋脚の風下側は、カルマン渦のために機体が安定しなかったという現象も見られ、点検ロボットが不安定になるということもあったと指摘した。

 また、実際現場で点検業務を行っている大日本コンサルタントの小林氏は「ロボットは数ある点検手法の1つとみている。事業者からはそのロボットが点検を行える性能があるのであれば、どこに使えるのか、どのくらい時間がかかるのかということなどが重要だ」と、現実的な判断をしている。

 NEDOの宮本氏は、ドローンの単体の性能試験ではなく、ミッションを設定して試験するミッション型試験について言及。「ミッション型試験のポイントは大きくは3つある。1つ目は、広い範囲をカバーして点検できるという目標に具体性を持たせられたこと。2つ目はメーカー側とユーザー側で見方に少しずれがある中で、NEDOとしてまず『どこを共通にして進めていけばよいか』を1つのミッションとしてターゲットを絞れたところ。3つ目はその結果として、少なからずメーカー側とユーザー側がこの機械の性能に対してコミュニケーションの取れるツールとして位置付けし、それぞれの意見の交換ができるようにしたところだ」と述べた。

 橋梁点検用ドローンメーカーのエンルートの高橋氏は「橋梁点検において、最大の敵となるのは風だ。安全対策も課題となり、全ての実証実験でTBM-KY(危険予知活動)を実施している」と安全性の確保の重要性を指摘した。そのうえで、橋梁にドローンを接近させたときの、橋梁およびドローン機体周囲の気流の流れを、数値流体解析を用いて解析し、ドローンに作用する流体力の評価を行ったことなど、実証実験の結果を紹介した。

 産業用ドローンメーカー、プロドローンの市原氏は、乱流による姿勢変動試験のから得た、IMU(Inertial Measurement Unit、慣性計測装置)による計測結果など、ドローン使用の物差しとして使える知見を説明した。

 ロボット受託開発企業、イクシスリサーチの山崎氏は、実施したドローンの試験について、サイズ別の3種類のドローンを用意して、さまざまな環境下でドローンの性能差を確認した。その結果、ある機種は点検箇所に近づけるが不安定であるなど、それぞれの性能が得られたことなどを報告した。

 こうした各社の発表を受けて、経産省の清信氏は「テストフィールドというハード面に加えて、ここで出来上がってきている性能評価というソフト面を生かし、オペレーターの操縦訓練などの人材育成も含めて、今後活用したい」と述べた。

残る課題と現実的活用への道すじ

 最後に、2年間の取り組みの結果について、富士通とNECが報告。富士通は基本性能項目の設定、評価手法の選定、簡易模擬橋梁での実証については行えたという。一方、できなかったことは実物への測定法実装、測定結果の活用提案、運用方法であるとした。

 NECはプロジェクトの結果、打音検査のデータ性能に関する性能評価手法の提案、模擬橋梁での評価技術の実証試験実施、評価方式の妥当性のエビデンス取得、性能評価基準書の策定、実証試験結果をもとにした測定方式や試験設備などで成果を残せたとする。一方で、測定結果の自動処理や自動でのデータベース化、測定に関わるカメラ配置や太陽、環境光の影響への注意深い対処などノウハウの固定化については課題として残ったとしている。

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