プログラミングや専門知識なしで操作できるロボットシステム:FAニュース
DMG森精機は、プログラミングや専門知識を必要としない、新しいロボットシステム「MATRIS(マトリス)」を発売した。ロボットプログラムの標準化により、専門的な技術や知識がなくても容易にロボットシステムの操作ができる。
DMG森精機は2018年3月9日、プログラミングや専門知識を必要としない、新しいロボットシステム「MATRIS(マトリス)」を発売した。2018年の販売予定数を年間100台としている。
MATRIS(Module Automation Transfer Robot Intelligence System)の特長の1つとして、システムを構成する搬送装置やワークストッカー、機外の計測装置、洗浄装置などのモジュール化が挙げられる。サイズを規格化したことで、より自由なレイアウトやカスタマイズが可能だ。仕様・条件によっては導入時のリードタイムを80%短縮し、導入後のレイアウト変更も1日で完了できる。
また、ネットワークでロボットと周辺機器、機械本体をつなぐ制御装置「MAPPSconnected(マップス コネクティッド)」を搭載。ロボットプログラムの標準化により、専門的な技術や知識がなくても、容易にロボットシステムを操作できる。稼働状況のモニタリングやスケジュール、生産工程などの一元管理に加え、計測、搬送、操作などの履歴を蓄積・可視化することも可能だ。
MATRISには、装備のパッケージ化も含まれる。ハンドリングパッケージ(ワークストッカ)やメジャリングパッケージ(機外計測装置)など、ユーザーからの要望が多い装備をパッケージ化して短納期で提供する。
ターニングセンタ、マシニングセンタなど、同社の各種工作機械に対応し、これらの工作機械と同様のサービスやメンテナンスをMATRISにおいても受けられる。また、ロボットに関する講習の開講や、MATRIS導入に当たって必要となるロボット操作の資格取得を同社アカデミーでバックアップするなど、多様なサポートが用意されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。 - ロボット活用拡大のボトルネック、ロボットインテグレーターの現実
あらゆる現場で労働人口不足などが深刻化する中、その解決策としてロボット活用への期待が高まっている。しかし、現実的にはロボットを現場で実装するロボットシステムインテグレーターが不足しており、ロボット活用の裾野が広がらない状況になっている。経済産業省 関東経済産業局がまとめた「ロボットシステムインテグレーターに関する調査結果」の内容をまとめた。 - 協働ロボット、ロボットシステムに残された課題と未来
協働ロボットを現場で活用するのにどのような工夫が必要か――。ロボット技術の総合展示会「2017国際ロボット展」では、ロボットメーカーおよびユーザー企業によるパネルディスカッション「ロボットフォーラム2017」が実施され、協働ロボットの意義について語った。 - 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。