信号灯情報をEnOceanで飛ばす、工場の簡単「見える化」ツール:FAニュース
台湾のアドバンテックは、IoT向けセンシング・プラットフォーム「タワーライトセンサー XJNE3-BP4009」を発売した。工場内設備の稼働状態を容易に把握でき、超低消費電力無線通信技術「EnOcean」を採用している。
台湾のAdvantech(アドバンテック)は2018年2月22日、IoT(モノのインターネット)向けセンシング・プラットフォーム「タワーライトセンサー XJNE3-BP4009」を発売した。価格はオープン。同年4月中旬に出荷を開始する予定だ。
同製品は、既設の積層信号灯に取り付けるだけで積層信号灯の点灯、消灯、点滅状態を検知し、無線通信で上位システムに送信する。稼働中の積層信号灯に同製品を取り付けると、工場内設備の稼働状態を容易に把握できる。
信号灯の状態検知には、光学センサーを使用。積層信号灯との電気的な接続が不要で、あらゆるメーカーの積層信号灯に対応する。また、装置の電源を停止せずに取り付け可能だ。
無線通信には、エネルギーハーベスティングを利用した発電で通信できる超低消費電力無線通信技術「EnOcean」を採用。本体に搭載したソーラーセルの発電で通信するため、電源工事や定期的なバッテリー交換は不要だ。
IoTソリューションとの組み合わせで、高いシステム拡張性を提供。タワーライトセンサーから送信された点灯状態データを、USBやシリアル接続仕様の受信機で、さまざまなホストコンピュータに取り込む。ホストコンピュータは、取り込んだデータをEnOceanシリアルプロトコルにのっとってデータを解釈。設備稼働状況を把握、最適化して稼働率を高める。
また、AdvantechのIoTソフトウェアソリューション「WISE-PaaS/RMM」や「WISE-PaaS/EdgeSense」との連携により、収集データをフロアや工場単位で集中管理して生産性の改善に活用できる。
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