この記事は、2018年3月9日発行の「FA メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
IVIが果たす製造業ブラックボックスを解読する意義
2018年3月8〜9日に都内で行われている「IVI公開シンポジウム 2018 -Spring-」の取材にお伺いしました。IVI(インダストリアルバリューチェーンイニシアチブ)は、日本機械学会生産システム部門の「つながる工場」分科会が母体となり、2015年から活動を開始。日本の現場力を生かした「緩やかな標準」を軸とし、製造現場における具体的な問題の解決をテーマに企業間協力などの取り組みを推進してきました。
シンポジウムでは、発足から3年目となる2017年度の活動を中心に報告があり、新たに発表したモノづくりの実現戦略「IVRA-Next」の説明※)や、未来プロジェクトなどの活動紹介などが行われました。IVIは毎年新たな活動をどんどん追加し、変化し続けるモノづくりおよび第4次産業革命の動きに追随しようとしているところが特徴です。多岐にわたる課題に対し、参加企業が次々にチームビルディングし、前のめりに取り組んでいく様子には毎回感心させられます。
※)関連記事:「つながる工場」のデータ連携も視野に、IVIが新たな実践戦略を披露
ただ、活動の幅がどんどん広がってくる中でも、今回あらためて価値を再認識をしたのが、発足当初から掲げていた「緩やかな標準」に対する活動の意義です。
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