ニュース
金属3Dプリンタ用アルミ合金ADC12の造形レシピ開発に成功、JISにも準拠:3Dプリンタニュース
白銅、東京理科大学、キヤノンマーケティングジャパンは、共同で金属3Dプリンタの造形材料を研究し、JIS規格に準じたアルミダイキャスト材料「ADC12」の造形レシピ開発に成功した。
白銅、東京理科大学、キヤノンマーケティングジャパンは2018年2月13日、共同で金属3Dプリンタの造形材料を研究し、JIS規格に準じたアルミダイキャスト材料「ADC12」の造形レシピ開発に成功したと発表した。同年4月には、白銅がADC12による造形サービスを開始する。
3者は、国内でアルミ製品として最も需要の高いADC12の造形パラメータの開発に着手。約10カ月で、JIS規格に準じた金属3Dプリンタ用アルミ合金ADC12の造形レシピを開発した。
ADC12による造形物は、JIS H 5302規格であるADC12の化学成分を保持しつつ、強さやしなやかさなど、バルク材を上回る機械特性を有する。これらの特性から新たな用途向けの部品開発や製品への活用が期待される。
現在、金属3Dプリンタで造形可能な材料は、その多くが欧米のプリンタメーカーが標準材料として提供する欧米市場向けの材料に限定されている。これらの標準材料は、日本の製造業ではなじみのないものも多く、材料の制限が金属3Dプリンタの活用を検討する際の最初のハードルとなっていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 金属3Dプリンタの全方位作戦に出るDMG森精機
DMG森精機は「3D Printing 2018」に出展し、新たに加えたパウダーベッド方式などラインアップを広げる金属3Dプリンタ製品群をアピールした。 - 金属3Dプリンタ市場は世界的には成長傾向、日本は規模が小さく成長も鈍い
富士経済は金属3Dプリンタの市場動向の概要について発表。金属3Dプリンタの世界市場について、2017年は622億円で2016年比の124.9%の成長率となる。さらに、2022年には1595億円で、2016年比で3.2倍に成長する見通し。ただし日本においては導入事例が少なく、市場規模も小さく、かつ成長も鈍い。 - 金属3DプリンタのEOSが日本法人設立、NDESと共に3Dプリンタ事業強化
NTTデータエンジニアリングシステムズと独EOSは、3Dプリンタを活用した国内アディティブ・マニュファクチャリング事業を強化することで合意した。EOSは事業強化に向け、日本法人を設立した。 - DMG森精機がパウダーベッド方式の金属3Dプリンタに参入
DMG森精機は、強化を進めている積層造形技術において、ドイツのREALIZERを子会社化し、パウダーベッド方式の金属3Dプリンタに参入する。 - リコーの新方式金属3Dプリンタ、材料粒子をあらかじめ樹脂でコーティング
リコーは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」において、開発中の金属3Dプリンタ技術を参考展示した。