金属3DプリンタのEOSが日本法人設立、NDESと共に3Dプリンタ事業強化:3Dプリンタニュース
NTTデータエンジニアリングシステムズと独EOSは、3Dプリンタを活用した国内アディティブ・マニュファクチャリング事業を強化することで合意した。EOSは事業強化に向け、日本法人を設立した。
NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES)と独EOSは2018年1月30日、3Dプリンタを活用した国内アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業を強化することで合意したと発表した。また、EOSは事業強化に向け、日本法人を設立した。EOSはたMLS(ダイレクトメタルレーザー焼結)による金属粉末積層造形機を開発するドイツのメーカー。
EOSのコンサルティング部門「Additive Minds」は、3Dプリンタを活用したAM(3Dモデルデータから物体を形成する技術)を製造現場に適応した成功事例を豊富に持つ。
同部門は、ユーザーの製造プロセスや要求品質に応じたAMの適応方法の提案と、品質管理体制の確立の支援を行っている。日本のユーザーに同サービスの活用を推進し、AMを用いた製造プロセスを構築するため、EOSは日本法人「EOS Electro Optical Systems Japan株式会社(EOSジャパン)」を設立。EOSジャパンはショールーム、トレーニングセンター機能を備えたテクニカルセンターを2018年1月に開設した。
一方、NDESはEOS製3Dプリンタの販売と保守サポートにおいて20年以上の実績を持つ。AMの技術開発拠点であるAMデザインラボには、金属3Dプリンタ7台、プラスチック3Dプリンタ1台を保有。また、造形物の内部品質、機械強度、寸法、ゆがみなどを計測、評価するための各種機器をそろえ、3Dプリンタの導入相談や技術的検証、導入後の運用アドバイス、各種技術開発を支援している。
NDESは、EOSジャパン設立後も3Dプリンタの販売と保守メンテサービスを一層強化。NDESの強みであるエンジニアリングサービスと、EOSが提供するコンサルティングサービスを融合し、AMのさらなる実現に向け、支援体制を強化するとしている。
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