旭化成は2018年1月11日、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータ「セルガード」および「ハイポア」の生産能力増強を決定したと発表した。設備投資額は約75億円だ。
同社グループは、LIB用セパレータとして乾式膜のセルガードと湿式膜のハイポアをラインアップしている。セルガードはアメリカのノースカロライナ州に、湿式膜は滋賀県守山市、宮崎県日向市、韓国に生産拠点を置き、事業拡大を図っている。今回の設備増強は、2016年5月に発表された、約11億m2/年の供給体制を2020年までに整備する計画に従ったものだ。
アメリカの既存工場におけるセルガードの生産能力を約1億5000万m2/年に増強し、2018年度下期に商業運転を開始。また、守山製造所(滋賀県守山市)におけるハイポアの生産能力を約9000万m2/年に増強し、2020年度上期に商業運転を開始する予定だ。
今回の増強により同社グループのLIB用セパレータの生産能力は、乾式膜が約4億m2/年、湿式膜が約7億m2/年、合計約11億m2/年となる。今後も需要の伸びに合わせて能力増強を図るとしている。
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