カーナビからコーヒーの注文や給油の決済を、GMが米国でサービス開始:車載情報機器
General Motors(GM)は、車内からオンラインでの商品やサービスの予約注文、購入が可能な電子商取引サービス「マーケットプレース」を2017年12月から米国内で開始した。
General Motors(GM)は、車内からオンラインでの商品やサービスの予約注文、購入が可能な電子商取引サービス「マーケットプレース」を2017年12月から米国内で開始した。外食やガソリンスタンドなど複数の企業が参加し、自社のサービスをGMのマーケットプレースから利用できるようにする。これにより、ドライバーは車内のダッシュボード上のタッチパネルの操作でさまざまなサービスを受けられる。今後1年半でドライバー約400万人の利用を見込む。
対応車種は、GMが展開するブランド(シボレー、ビュイック、GMC、キャデラック)で、4G LTE回線を利用した車載情報機器を搭載する2017〜2018年モデルとなる。既存車種でもマーケットプレースを追加でき、新型車にも採用する。マーケットプレースを使用するために個別のデータプランは不要としている。
マーケットプレースでは、移動中に食事を注文したり、燃料を節約するために一番近いガソリンスタンドを検索したり、ディナーのためのレストランを予約することが可能だ。ドライバーは、車載情報機器のタッチスクリーンから、マーケットプレースを介して気に入ったサービスを、より安全に利用できるようになる。また、マーケットプレースには、Wi-Fi接続の契約やオイル交換の割引、GMアクセサリーなど、GM車専用サービスのためのショップも用意している。
GMでグローバル・コネクテッド・カスタマー・エクスペリエンスを担当する副社長のサンティアゴ・チャモロ氏は「平均的な米国人は、運転に1日当たり46分を費やす。当社は、コネクティビティと独自のデータ機能を利用して、あらゆるドライビングをより生産的にして顧客の時間を節約する。マーケットプレースは、今後1年〜1年半で約400万人の米国ドライバーに提供される。新しいパーソナライゼーションを装備する最初の製品だ」と述べた。
運転中に使用するために設計されたマーケットプレースは、位置情報、時間、ドライバーと第三者企業間のデジタル接続など、リアルタイムで収集したデータを用いた機械学習の成果を駆使して、高度なパーソナライゼーション体験を提供する。手動操作を最低限に抑えてドライバーの視線を路上に維持し、両手がハンドルから離れることのないように車内システムを設計している。
コーヒーやドーナツの注文からホテルの予約まで
マーケットプレースで利用可能な外食サービスには、スターバックスやダンキンドーナツ、ウイングストップ、TGIフライデーズなどがある。マーケットプレースから好みのドリンクやフードの注文と支払いを済ませ、店舗に立ち寄ってすぐに商品を受け取ることができる。席の予約や、実店舗で実施するポイントサービスにも対応する。
最寄りのレストランやリカーショップ、食料品店、クリーニング店などへのオンライン注文を行うサービス「delivery.com」もマーケットプレースから利用可能で、地域の経済の活性化に貢献するとしている。
シェルやエクソンモービルといったガソリンスタンドチェーンのマーケットプレースでは、スマートフォンや車載情報機器からの支払いや、最寄りのスタンドの検索とルート案内が可能だ。予約サービス「Priceline.com」では、車内からの数十万件のホテルへの連絡や特別割引を利用できるようになる。駐車場情報サービスを手掛ける「Parkopedia」では、駐車場の検索から予約、支払いまでを全て行うことが可能だ。
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