ノンプログラミング開発環境がIoTのエッジとクラウドの相克を解消する:MONOist 2018年展望(3/3 ページ)
IoT活用を進めていく上で大きな課題になるのが、IoTデバイスなどのエッジ側とクラウド側の間に存在するソフトウェア開発環境の違いだ。この相克を解消するノンプログラミング開発環境に注目が集まっている。
AI開発もノンプログラミングで
IoTだけでなく、AIの開発でもノンプログラミング開発環境が注目を集めている。AI関連で注目を集めている機械学習や深層学習は、オープンソースで公開されている「Caffe」「TensorFlow」「Chainer」などを用いて行うことになるが、その際にはPythonなどのソフトウェア開発言語の知識が必要になる。もちろん、フレームワークに入力するデータの取り扱いに関する知見も必要だ。
IoTデバイスにAIを搭載したい組み込みソフトの技術者が、いきなりこうした知見を身に付けることはできない。そこで、その役割をノンプログラミング開発環境が担ってくれれば開発スピードを高められる。
AI関連のノンプログラミング開発環境では「DataRobot」が注目を集めている。データを入力するだけで、そのデータに最適な機械学習のモデルを得ることができるソフトウェアだ(関連記事:「AIの民主化」掲げる米国ベンチャーが日本進出、機械学習の結果も説明可能に)。
ソニーは2017年6月に深層学習ソフトウェア「Neural Network Libraries」を発表しているが、Pythonでのコーディングが前提となるNeural Network LibrariesをGUIによりノンプログラミングで手軽に利用できる統合開発環境「Neural Network Console」も同年8月に発表している(関連記事:ソニーの深層学習はIoTデバイスの開発に最適、ノンプログラミング開発環境も提供)。
これらの他、電通国際情報サービス(ISID)が販売している機械学習ソフトウェア「simMachines」もノンプログラミング開発環境だ。
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