リターンライダーに“国産イタリア車”、夏には冷房で冷える仕組みが気になる:オートモーティブ 年間ランキング2017(1/2 ページ)
2017年にMONOistのオートモーティブフォーラムで公開された中から、最も読まれた記事を振り返ります。
2017年も自動車に関してさまざまなニュースが飛び交いました。各社の新型車が注目を集めたのはもちろんですが、日産自動車やSUBARU(スバル)が完成検査を正規に実施していないことが判明したのも記憶に新しいのではないでしょうか。完成検査の在り方が時代に即していないという指摘もなされました。
自動車などに向けて幅広くアルミニウムや銅を供給する神戸製鋼が、製品仕様の検査証明書のデータを不正に書き換えていたことも、日産自動車の例から間を置かずに明らかになりました。
自動車業界は2016年も不正に揺れたばかりです。三菱自動車とスズキが燃費測定試験に必要な走行抵抗値を正規に測定しておらず、三菱自動車に至ってはその数値を改ざんしていた車種もありました。2017年は燃費測定試験に続き、完成検査という国が定めた制度をあらためて見つめ直すことが迫られました。
燃費に関しては、2017年6月にマツダが他社に先駆けて「WLTC(※1)モード」での測定を実施しました。市街地モード、郊外モード、高速道路モードの3パターンで燃費を測定し、JC08モードよりも実際のクルマの使われ方を意識した試験方法となっています。
(※1)World Harmonized Light vehicle Test Cycle、世界統一試験サイクル。WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure、乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法)に基づく測定方式。
WLTCモード燃費を発表したマツダ「CX-3」は、市街地モードが12.2km/lだったのに対し、高速道路モードが18.0km/lでした。JC08モード燃費では17.0km/lです。使う場面に合わせて燃費の目安が分かるのは、消費者にとって大きなメリットとなっていくことでしょう。
MONOistのオートモーティブフォーラムでは、こうした時事ネタに加えてさまざまな記事を掲載してきました。2017年に公開された記事の中から、年間ページビュー(PV)の上位について振り返ります。
第1位:「リターンライダー」世代の記者による熱いレポート
最も読まれた記事は、2017年の東京モーターショーに出展された各社の二輪モデルを「リターンライダー」の目線でレポートした「リターンライダー潜在層が飛び付くバイクは?」でした。
クルマ離れだけでなく“バイク離れ”も叫ばれていますが、実は大幅に販売台数が減少しているのは排気量50cc以下の原付第1種なのをご存じでしょうか。普通自動二輪免許以上が必要な排気量51cc以上の販売台数はここ数年で底を打って回復基調にあるのです。
1980年代の第2次バイクブームの頃に10代だった世代が40〜50代となり、子育てが一段落して経済的余裕も生まれたのを機にバイクに再び乗り始めることが、次のバイクブームのけん引役だと見られています。この40〜50代の二輪免許所有者は約749万人もいるのです。
第2次バイクブームを楽しんだ40〜50代の心に響くモデルを写真とともに取り上げています。リターンライダーの読者の方も、バイクを買いたいけれど悩んでいる方も、ぜひご覧ください。
第2位:レベル3の自動運転車、2017年11月末からドイツで出荷開始
次点は2017年の新年展望で掲載した「レベル3の自動運転は2017年から実用化スタート、止まらずに曲がる衝突回避も」でした。
民生機器テクノロジーの展示会「CES 2017」でフラグシップセダンの「A8」にレベル3の自動運転システムを搭載すると発表したAudi(アウディ)は、予告通りにA8の全面改良を実施しました。
自動運転機能は、前後の車両と接近したノロノロ運転となる渋滞時に運転操作を代行する機能で、中央分離帯がある道路を時速60km以下で走行している場合にセンターコンソールのスイッチを押すと有効になります。ドライバーがステアリングから手を離しても機能は継続し、TVを視聴することも「法律が許せば可能」(アウディ)とのこと。なお、アウディのシステムではドライバーの居眠りは許されていません。システムの要請に応じて運転に復帰しない場合はクルマが停止してしまいます。
新型A8は華々しく披露されましたが、製品の出荷はドイツで始まったばかり。自動運転機能や自動駐車機能の市場導入に当たっては、各国でのテストや承認手続きを経て、2018年以降に段階的に進める計画です。実際に公道で走るのを見られるまで少し時間がかかりそうです。
第3位:日本とイタリアの兄弟車を比較分析
続いて読まれたのは、“国産イタリア車”「124スパイダー」を兄弟に持つマツダの「ロードスター」を取り上げた「『NDロードスター』と『124スパイダー』から見えてきた、愛車になるための“余白”」でした。
ロードスターは、2016年4月22日に累計生産台数が100万台に達し、「2人乗り小型オープンスポーツカーとして生産累計台数が世界一」というギネス世界記録を更新しているロングセラーモデルです。現行モデルは4代目となります。
筆者の林田浩一氏に原稿を執筆してもらうに当たって、ロードスターと124スパイダー、ハードトップの「ロードスター RF」を駆り出しました。ロードスターと124スパイダー、どちらも写真や実物を見たことがあるという人が多いと思います。しかし、実物を並べてみると違いがよく分かります。
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