毎秒1000枚の高速画像処理が可能なシステム開発プラットフォームを発表:組み込み開発ニュース
エクスビジョンは、高速画像処理を可能とするリアルタイムシステムをFAや検査ソリューションに組み込み、容易に応用できる新しいプラットフォーム「High Speed Vision Software Development Kit」を開発した。2018年1月下旬に提供を開始する。
エクスビジョンは2017年12月14日、高速画像処理を可能とするリアルタイムシステムをFAや検査ソリューションに組み込み、容易に応用できる新しいプラットフォーム「High Speed Vision Software Development Kit(HSV SDK)」を開発したと発表した。人間の目では追えない高速移動体の高速な画像処理が可能となる。2018年1月下旬に提供を開始する予定だ。
ソニーセミコンダクタソリューションズの高速ビジョンセンサー「IMX382」を搭載し、1秒間に1000枚の撮像および画像処理に対応する。取り込んだ画像から対象の色や重心位置などを判別し、これらに対応した動作を即座に行うリアルタイム制御を可能にした。
同プラットフォームでは、高速画像処理を用いるための共通のハードウェアとソフトウェアを用意。ユーザーが個別のアプリケーションソフトウェアを開発するだけで、システムを構築できる。また、汎用的な仕様により、サンプルプログラムを活用して高速画像処理を即座に評価する。
工場など生産現場でのFAや検査分野での活用に加え、映像メディア、ヒューマンインタフェース、バイオ・医療、セキュリティ、自動車・交通、高速3D入力、高速ロボットなどの分野にも応用が可能だという。
NEDOでは、「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」を進めている。エクスビジョンは同事業の一環として、東京大学および複数企業とともに、高速画像処理のネットワーク化とフィードバックの実現およびリアルタイムシステムの実現を目指した研究開発を進めてきた。同製品はこの事業の成果を基にしたもの。
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