1000fpsの超高速画像処理と同期してモーターを制御、産業用ロボットに展開:ESEC2017&IoT/M2M展
エクスビジョンは、高速画像処理プラットフォームのソフトウェア開発キット「HSV SDK」に、イーソルのマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を採用。「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」でデモも披露した。
エクスビジョンは2017年4月27日、高速画像処理プラットフォームのソフトウェア開発キット「HSV SDK(High Speed Vision Software Development Kit)」に、イーソルのマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を採用したと発表した。
エクスビジョンは、東京大学発のベンチャー企業。同社が開発したHSV SDKは、さまざまな画像処理システムを短期間で開発できるキットで、ビジョンチップ搭載センサーボードやメインボードから成る評価ボードとソフトウェア開発キットで構成される。
高速画像処理プラットフォームの中核となるビジョンチップは、現在の平均的なフレームレートである30fps(毎秒フレーム)の30倍以上となる1000fpsのイメージセンシングに加え、高速移動体を検出する並列信号処理がワンチップで可能だ。
今回同社では、HSV SDKのランタイムソフトウェアとして、イーソルのeT-Kernel Multi-Core EditionとUSBデバイス側スタックを採用。リアルタイムOSのeT-Kernel Multi-Core Editionは、ARMベースのマルチコアプロセッサを制御する。
また、独自の「ブレンドスケジューリング」技術により、高スループットを可能にするSMP型プログラムと、リアルタイム性の確保とソフトウェア資産の再利用が容易なAMP型プログラムを1つのシステム/OS上で混在でき、双方のメリットを生かせる。
これにより、HSV SDKはセンサーボードから送られてきたイメージング情報の即時処理とアクチュエータの高速制御を可能にする高いリアルタイム性、スループットの両立が可能になった。
eT-Kernel Multi-Core Editionは、車載機器やFA/産業機器などさまざまな分野で採用実績があり、加えて、機能安全規格 ISO 26262(自動車)/IEC 61508(産業機器)ともに高い安全度水準(ASIL D、SIL 4)のプロダクト認証を取得している。
「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)のイーソルブースでは、HSV SDKのデモンストレーションが披露された。高速で射出したピンポン玉の色を1000fpsで識別し、白色のピンポン玉だけを網でキャッチできるように同期制御するという内容。「産業用ロボットのセンサーシステムを中心に提案していきたい」(エクスビジョンの説明員)という。
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