設備の省エネ、管理効率化を目的としたIoTプラットフォームの実証実験:製造ITニュース
TOKAIコミュニケーションズは、4社共同でIoTプラットフォームを活用した設備管理システムの実証実験を開始した。設備の省エネ化と運用管理の効率化を目的とする。
TOKAIコミュニケーションズは2017年11月16日、日本サイトラインシステムズ、NTTファシリティーズ、たけびしと共同で、IoT(モノのインターネット)プラットフォームを活用した設備管理システムの実証実験を開始した。
同実証実験では、TOKAIコミュニケーションズの静岡データセンターの各設備から、サーバの使用電気量、空調使用電気量、気温や湿度、ドアの開閉、気象などのデータを収集・蓄積し、稼働状況を可視化する。さらに、これらのデータの相関分析や未来予測を行い、運用業務の効率化につなげる。
具体的には、光熱費の削減や空調設備の冷却効果を阻害する要因の可視化、異常や予兆の検知など、データセンターの設備保全効率を確認する。また、空調設備のマネジメントや自動化といった運用管理に加え、さまざまなデータを収集・分析した結果、新たな知見が得られるかも検証する。
各社の役割は、TOKAIコミュニケーションズが同社のクラウドサービス「CloudPlatformVM」にIoTプラットフォームを構築し、導入作業を担当する。日本サイトラインシステムズは、収集データを蓄積・分析する包括的パフォーマンス・マネジメントツール「SightLineEDM」を提供し、導入へのコンサルティングに携わる。
NTTファシリティーズはシステム構築やサポートを、たけびしはOPCサーバ「DeviceXPlorer」を提供し、空調設備などからのデータ取得を支援する。
TOKAIコミュニケーションズでは、同実証実験でサービス運用に十分な結果が得られれば、設備管理IoTプラットフォーム事業としてサービス化することを検討している。
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