ダッソー日本法人社長に元セールスフォースの山賀氏「理念に共感」:製造ITニュース(2/2 ページ)
ダッソー・システムズは日本法人の新社長就任に関する記者発表会を開催した。同社日本法人の代表取締役社長に就任した山賀裕二氏は、「地球環境の持続可能性を担保する技術を実現する」というダッソーの理念に共感し、入社を決めたという。
ボーイングの航空機「777」開発はスタート時のダッソーにおける代表的事例として必ず名前が挙がる。今回は、3DEXPERIENCEプラットフォームを導入し、2018年から運用開始するという。
フォルクスワーゲングループの商用車部門であるスカニアも3DEXPERIENCEプラットフォームを導入し、モジュラー設計やシミュレーションにおける効率化を図り、設計・製造プロセスにおけるデジタルな連続性を確保することなどを目的としている(関連記事:スカニアが開発プロセスのコスト効率を向上する3Dプラットフォーム導入)。
ダッソーはCATIA V6を2008年に発表し、その後、3DEXPERIENCEと名称変更している。V6の発表からカウントすれば、登場して既に10年近くたつことになる。同社は、バーチャル・シンガポールのような事例や、今回紹介していたボーイングやスカニアの他にも企業や教育機関などでの導入決定について幾つか発表している。
その背景として、ローラン氏は次のように述べた。「製造業が担当分野(人材やスキル)の縦割りの壁(サイロ)を壊して横連携し、シナジーを高めようという動きがある。設計開発がファイルベースからモデルベースと移行し、機能に着目して管理をしていかないといけないという理解が深まってきている。物理試作削減への関心も高い。3DEXPERIENCEプラットフォームでは要件定義から設計、実機制作まで、同じデータで貫通できることから、試作を減らすことに貢献する。社内の改革を推進するためにも必要だと考えてくれているようだ」。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ダッソーが格子ボルツマン法のExaを買収、3DEXPERIENCEで利用可能に
仏Dassault Systèmesは、米Exa Corporationの買収について合意に至ったと発表した。「3DEXPERIENCE」プラットフォームにExa Corporationの格子ボルツマン法による流体解析技術が加わり、シミュレーションのポートフォリオが強化される。 - ロックウェル・コリンズがPLM環境構築に向けダッソーを採用
ロックウェル・コリンズは、政府機関などの堅牢なクラウド環境でもシームレスに動作するダッソー・システムズの製品を、航空機器や航空通信システムの開発に活用する。 - 華為とダッソー、クラウドプラットフォーム導入に向け協業
中国の華為技術とフランスのダッソー・システムズは、華為技術のクラウドへの「3DEXPERIENCE」プラットフォーム導入に向けて協業する。さまざまな業界で利用できる設計/検証/製造の統合ソリューションの提供を目指す。 - タイヤを売らずに稼ぐタイヤメーカー、ブリヂストンが目指す変革の目的地
ダッソー・システムズの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2017」の特別講演として、タイヤメーカーであるブリヂストンがデジタル変革をテーマに講演した。 - “体験経済”時代のプラットフォームを目指すダッソー、カバー領域をさらに拡大
ダッソー・システムズは年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2014」を開催。それに先立ちフランス本社の社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏が記者会見を行い、製造業を取り巻く環境の変化と同社の取り組みについて説明した。