高性能グラフィックス用エンジンを体系化したIPを発売:組み込み開発ニュース
ソシオネクストは、同社の高性能グラフィックス用エンジンをIPとして体系化した「SEERIS Graphics Engine IP」を発売した。幅広い用途でSoCを短期間で開発し、市場に投入できる。
ソシオネクストは2017年11月13日、グラフィックス用IP「SEERIS(シーリス)Graphics Engine IP」を発売した。同社の高性能グラフィックス用エンジンをIPとして体系化したもので、同社に設計を委託する顧客や自社でSoCを開発するベンダーなどを対象に提供する。
SEERISは、「キャプチャー(画像取り込み)」「2D/2.5D グラフィックス処理」「ディスプレイ出力コントロール」の3つのブロックで構成される。キャプチャー機能は、YUV、RGBなどの各種入力フォーマットに対応する。
グラフィックス処理は、BitBLT エンジンによる2D処理を基本に、Warping処理による簡易3D描画(2.5D)に対応。複数のレイヤーの描画処理、コピー、ブレンド、拡大縮小、水平垂直反転、回転処理などの機能を搭載する。
ディスプレイ出力コントロールは最大4Kをサポート。さまざまな解像度とサイズでの画面出力に対応する。また、表示映像の固着や乱れを検出するセーフティ機能を搭載し、高い安全性が要求される用途にも利用できる。
これら3つのブロックを用途に応じて組み合わせることで、車載向けやそれ以外の幅広い用途でSoCを短期間で開発し、市場に投入できる。
同社は、これまで車載向けを中心としたグラフィックス・ディスプレイ・コントロール製品を開発・販売し、画像、映像表示の多様なニーズにソリューションを提供してきた。今回、これまで培ってきた技術と知見をより幅広いアプリケーションで有効に活用するため、SEERISの販売を開始した。
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