「野望はでっかく」――GROOVE X、最大で78億7000万円の資金調達成功を見込む:ロボット開発ニュース(2/2 ページ)
ロボットベンチャーのGROOVE Xは、未来創成ファンド、産業革新機構との間で、新世代家庭用ロボット「LOVOT」開発に向けて、第三者割当増資に関する投資契約を締結。その他の引受先と合計で総額64億5000円の調達となる。総資金調達額は累計で最大78億円となる見込みだ。
LOVOTのティーザーを公開
GXの新製品であるLOVOTは2018年末に製品発表、2019年中に発売を予定している。今回は実機なしでのコンセプトの発表(ティーザー)となった。
製品名の由来は、「LOVE×ROBOT=LOVOT」。「ロボットという言葉の語源は強制労働や隷属といった意味合いを持つため、そのままでは不適切と考えて、新たな名前を作った」と林氏は説明する。LOVOTは、「心の充足」や「明日への活力」といった、人の心に潤いを与える存在を目指すという。
林氏は、ロボットを以下の図のように2つに分類する。
左側(青)の領域はロボットによる自動化を示し、「人に対する情報量が減る」(林氏)ことを表す。ロボットやAIによる作業の自動化や自動運転技術が該当する。これらの技術は、人の中でどんどん存在感が薄くなる。一方、右側の領域(赤)は、人の心に働きかける領域であり、「人に対する情報量が増える」(林氏)ことを示し、「一見、役に立つとは思えない、生産性がない分野」(林氏)という。また「この両者は相いれない」とGXでは考える。
「これまで、“食べる”など生きることそのものにかけなければならなかったリソースが減ることで、人間の生存戦略や自己実現に時間を当てることが可能」と林氏は説明する。左の領域が盛り上がることで、右の領域も盛り上がるとGXでは見て、LOVOTという新しいカテゴリーを作っていく。
2018年末の製品発表に先立って、2017年12月4日から「IMAGINE YOUR LOVOT」キャンペーンを開始する。自分が想像したLOVOTを紙などに描いて、スマートフォンのカメラで撮影し、キャンペーンサイトにアップロードすると、その場でGIFアニメーションが生成される。アニメーションのストーリーは6種類あり、完成したGIFはSNSでシェアできる。
ソフトバンクのオフィスの間近である、東京・汐留の地下道には2017年12月4日から1カ月間、屋外広告を設置し、LOVOTのテーマをアピールしている。
米国カリフォルニア州ロサンゼルスにあるベンチャー SPACE Xの社屋前における屋外広告において、SPACE X CEOのイーロン・マスク氏を名指しして、「Our ambition is mashi-mashi as yours」(われわれの野望は、あなたの野望のように大きい(マシマシ)」というメッセージを出した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 次世代ロボットの開発は人形師の系譜と歴史が礎に、GROOVE Xが人形町に移転
ロボットベンチャーのGROOVE Xは、事業拡大に伴い、本社と開発拠点を東京都中央区日本橋の人形町エリアに移転した。今後は幅広い産業領域からのエンジニアの採用を強化し、2年後の2019年には従業員を現在の24人の約3倍にまで拡充する計画。 - ロボットに興味がなかったPepperの開発者が新たにロボットを作る理由
ソフトバンクの感情認識ヒューマノイドロボット「Pepper」の開発をけん引したことで知られる林要氏。子どものころ「ロボットに興味がなかった」と話す林氏だが、Pepperだけでなく、ベンチャーを起業して新たなロボットを開発しようとしている。林氏は、なぜまたロボット開発に取り組んでいるのだろうか。 - 外骨格ロボットスーツは単なる序章、スケルトニクスの本当の夢とは?
外骨格ロボットスーツで世間を驚かせたスケルトニクスが、「CEATEC JAPAN 2015」のIPAブースに出展。外骨格ロボットスーツ「スケルトニクス」に続く“夢”について、代表取締役CEOの白久レイエス樹氏に話を聞いた。 - Pepperを動かす「アプリ」を作ろう〜まずはSDKの基本的な使い方を習得する
パーソナルロボット「Pepper」の一般販売が間もなく開始され、“ロボットのある生活”がまた一歩近づいた。Pepperの注目点はいくつもあるが、その1つが、自由なアプリ開発だ。ここでは配布されているSDKを使ってのロボットプログラミングに挑戦する。 - Pepperに「ラジオ体操第2」を実演させる
Pepperの大きな特徴の1つは「動きがある」こと。モーションの作り方を解説するとともに、彼にラジオ体操を実演させてみよう。