AIと人が一緒になってつくる次世代工場の姿を紹介:2017国際ロボット展(2/2 ページ)
三菱電機は「2017 国際ロボット展(iREX2017)」に出展し、同社の工場向けIoTシステム「e-F@ctory(イーファクトリー)」が実現する知能化ロボットによるスマートファクトリーの実演デモを披露した。AIとロボットによる自動化ソリューションも紹介した。
「誰でも簡単に」実機レス検証
生産準備の事例として展示した、シミュレーターとAIによる3Dビジョンセンサー自動調整の実演では、実機レス検証を「誰でも簡単に」できる例を示した。バラ積み部品を3Dセンサーで自動認識し、さらにロボットが自動で取り出す。自動調整においては、部品の3Dデータを用いて、部品の供給状態と3Dセンサーで認識した状態を再現する。さらにAI技術「Maisart」でパラメーター最適化を実行し、AIがセンサーパラメーターを自動調整する。これにより、実機がない環境やノウハウがなくても自動調整が行え、設備の最適調整、性能ばらつき抑制、立ち上げの迅速化が実現できる。
鉄道模型を用いた高速追従のデモも実施。鉄道模型は速度や進行方向、路線切り替えを任意に実施し、わざと不規則になるようにした。それを垂直多関節型ロボット「RV-4FR-R」に付けた高速カメラが追いかける。さらにモニターが自動追従の様子をリアルタイムで映し出す。フレームレートは1000fps。この技術は不規則に動く対象物の検査や搬送に応用できる。
さまざまなネジが混じっていても自動認識して、ロボットが自動で締め付けるデモも実施した。複数の設備に担当させていた作業を集約できるため、省スペース化につながる。多方向のネジ締めやトルクのデータも出力・管理できる。ロボットの運動モニター、警報、負荷率監視機能を搭載したシステムと連携すれば、現場でトラブルが発生した際に復旧支援したり、遠隔での稼働状況の把握が可能になる。
人の手でも細やかな作業になる、フレキシブルプリント基板(FPC)を器用にはめるロボットの実演も実施。三菱電機のパートナーであるテックメイクとイリソ電子工業による技術だ。
三菱電機は中部大学、中京大学との合同チームで2017年7月に開催した物流ロボットコンテスト「Amazon Robotics Challenge(ARC) 2017」(会場は名古屋市国際展示場)に出場している。今回は当日使用したセルを展示した。
同社は2017年11月7日にe-F@ctoryにおけるエッジコンピューティング製品群を発表。データ分析診断ソフト「リアルタイムデータアナライザ」と、SCADAソフトウェアである「MC Works64 エッジコンピューティングエディション」、産業用PC「MELIPCシリーズ」を開発していく。
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