三菱電機がAI活用ロボットの力覚制御の高速化技術を開発:産業用ロボット
三菱電機は、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」を産業用ロボットのアーム力覚制御に適用し、動作時間の大幅短縮を実現する「AIを活用したロボットの力覚制御の高速化技術」を開発した。
三菱電機は2017年11月21日、同社のAI 技術「Maisart」(マイサート= Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technology )を、産業用ロボットのアームを人の腕のように柔らかく動作させる力覚制御に適用し、動作時間を大幅短縮する高速化技術を開発したと発表した。熟練者によるロボットへのプログラミングや機器の調整作業を省き、組み付け動作時間を短縮できる。
新技術は、はめあい作業やコネクターおよび基板の挿入作業などの高速化を図ることにより、電気製品、電子製品の組み立て工程の生産性向上が図れる。部品のはめあい作業では、短時間の学習で制御しパラメータを高精度に決定、人手調整時に 5.5秒(反力20N以下)だった動作時間を1.9秒(反力10N以下)と約3分の1に短縮し高速化を実現した(同社確認)。
マイサートはアルゴリズムのコンパクト化および、機器の知見を活用した学習高効率化と高速データ分析が特徴。今回は力覚センサーの検知データをもとにロボットの保持するワークやツールが対象物に接触したことを検知して、ロボットの軌道を修正する制御である力覚制御に適用し、人のように柔軟で速い自動組み立てを実現する。
従来、力覚制御を高精度に実施するためには、動作前にロボットを一時停止して、力覚センサーに発生するロボットの姿勢によって変化する重力など外部の影響を補正する必要があったが、マイサートによりロボットを停止することなく、自動で高精度に力覚センサー出力を補正する。
同社は開発した高速化技術を搭載したデモシステムを「2017国際ロボット展」(2017年11月29日〜12月2日、東京ビッグサイト)に参考出展する。
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