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IoTエッジコンピューティングで活用する予測データベース開発:組み込み開発ニュース
ソルティスターは、IoTのエッジコンピューティングで稼働するゲートウェイ向けに、蓄積したデータを基に自らデータの予測を行うインテリジェントデータベースを開発した。
ソルティスターは2017年11月6日、IoT(モノのインターネット)のエッジコンピューティングで稼働するゲートウェイ向けに、蓄積したデータを基に自らデータの予測を行うインテリジェントデータベースを開発したと発表した。
同データベースは、同社の新技術「予測インデックス」を搭載。予測モデルを作成することで、エッジデバイスの消費電力の抑制、異常値の早期発見、製造業や農業など各分野における熟練工のノウハウのデータ化などに活用できる。
例えば、センサーからの受信データに基づいてデータ予測モデルを作成し、それをセンサー端末に送信する。LSI(大規模集積回路)を備えたセンサーデバイスが予測データと実測データを比較し、設定の範囲を超えた場合のみゲートウェイへデータを送信する。これにより、電力消費への影響が大きい通信量が抑えられ、センサーデバイスの消費電力を低減できる。ゲートウェイ側のインテリジェントデータベースは、データ受信、分析、予測を繰り返すことで学習し、予測精度を向上させていく。
具体的な事例として、山間部での活用を見込む。電力供給が難しい山間部などでデバイスの長寿命化とデータの異常値を検知し、土砂崩れや雪崩などのデータ分析から予測を目指す研究に利用する。また、FA工場でモーターなどの状況を分析し、機器の不良や寿命を予測する。農業分野では、土壌や気象、作物の状況をセンシングおよび分析し、害虫発生や日照りなどを予測できるとしている。
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