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コニカミノルタは2020年に向け「エッジコンピューティングを強みにしていく」製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

コニカミノルタが、2020年度を想定した事業の方向性や規模感を示す中期事業戦略を説明。2020年度の売上高目標は2015年度比4200億円増の1兆5000億円となる。同社社長の山名昌衛氏は、目標達成に向けて、「サイバーフィジカルシステムの枠組みの中で、エッジコンピューティングを強みにしていきたい」と語った。

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コニカミノルタの山名昌衛氏
コニカミノルタの山名昌衛氏

 コニカミノルタは2016年4月14日、東京都内で中期事業戦略説明会を開催した。同社は2016年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画を進めているが、同会で説明した中期事業戦略は、現在の中期経営計画よりも先の5年後となる2020年度を想定した事業の方向性や規模感を示すものになる。2016年10月に発表を予定している、2017年度からの次期中期経営計画の基礎となる。

 同社社長の山名昌衛氏は「これまで当社は、技術を基にしたプロダクトアウト型の企業から、顧客視点の課題解決型カンパニーへの変革を目指す『ビジネス・トランスフォーム』を続けてきた。今後もビジネス・トランスフォームは続けるが、その方向性を定める上で重視しているのが、現在何かと注目を集めているサイバーフィジカルシステムの中で当社の強みをいかに出していけるかだ」と語る。

コニカミノルタの「ビジネス・トランスフォーム」
コニカミノルタの「ビジネス・トランスフォーム」(クリックで拡大) 出典:コニカミノルタ

 サイバーフィジカルシステムは、インターネットやクラウドによってデジタルデータが流通するサイバー空間と、実世界であるフィジカル空間を有機的に結び付けて価値を生み出すシステムのことを指す。フィジカル空間のさまざまな情報を収集してサイバー空間に送るIoT(モノのインターネット)と併せて語られることが多い。

 山名氏によれば、コニカミノルタは光学/センシング/画像処理の技術によりフィジカル空間からサイバー空間に情報を送る「Input」の部分については強みを有しているという。しかし「サイバーフィジカルシステムにおいて重要なのは、Inputの情報を基に分析/判断する『Processing』の部分。中でも、Inputで得た情報の中から本当に必要なものを選び出すエッジコンピューティングを、今後の当社の強みにしていきたいと考えている。そしてInputとProcessingの強みを生かして、顧客価値につながる『Output』につなげていきたい」(同氏)。

コニカミノルタのサイバーフィジカルシステムに基づくビジネスモデル
コニカミノルタのサイバーフィジカルシステムに基づくビジネスモデル。既に強みのある「Input」に加え、「Processing」に当たるエッジコンピューティングを強化していき、顧客価値につながる「Output」につなげる(クリックで拡大) 出典:コニカミノルタ

 このサイバーフィジカルシステムの枠組みを基に現行事業の高付加価値化を進めて行く。山名氏は「現行事業の“染み出し”もしくは“深堀”によってこの高付加価値化を果たしていく。これまでも、現行事業の高付加価値化につながるように、足りない技術や人材をM&Aを通して得てきたが、今後も必要があれば進めて行く」と説明する。実際に同社は、2015年度までの4年間で、約900億円をかけて約45社を買収している実績がある。

 「オフィスサービス」「商業・産業印刷」「ヘルスケア」「産業用光学システム」「機能材料」という5つの事業領域の高付加価値化とともに、サイバーフィジカルシステムによって実現が可能になるであろう「予知保全」や「状態監視」も事業化していきたい考えだ。

5つの事業領域における高付加価値化の方向性
5つの事業領域における高付加価値化の方向性(クリックで拡大) 出典:コニカミノルタ

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