トヨタがマーケティング子会社を統合、モビリティサービス視野に変革急ぐ:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車は、100%子会社のトヨタマーケティングジャパンを統合する国内の商品企画から販売店活動まで一貫したマーケティングを、機動的に企画、実施することが狙い。近い将来の到来が予測される、コネクテッド社会への対応やモビリティサービスへの事業構造変革のスピードを高めていく狙いもある。
トヨタ自動車は2017年11月27日、100%子会社のトヨタマーケティングジャパン(TMJ)を統合すると発表した。2018年1月1日に業務移管と人事異動を行い、同年4月1日付でトヨタ自動車がTMJを吸収合併する予定。国内の商品企画から販売店活動まで一貫したマーケティングを、機動的に企画、実施することが狙い。
TMJは2009年10月に、業務の専門性と機動性を高めるため、トヨタ自動車から独立したマーケティング専門会社として設立された。しかし、トヨタ自動車とTMJを取り巻く環境が急速に変化しており、マーケティング機能単独ではなく、商品企画や販売店ビジネスの企画、サポート機能が一体となって「即断、即決、即実行しなければ、世の中の変化に対応できない」(リリース文より)と判断。TMJをトヨタの国内事業、商品企画機能と統合することで、商品企画からプロモーション、販売店活動まで一貫したマーケティングを、機動的に企画、実施していくという。また、近い将来の到来が予測される、コネクテッド社会への対応やモビリティサービスへの事業構造変革のスピードを高めていく狙いもある。
これまでTMJでは、従来は車種ごとに分かれていた広告キャンペーンを、顧客から見た際のトヨタ自動車の魅力として統合した「TOYOTOWN」や、若者の社会貢献意識の高まりを捉えた「アクアソーシャルフェス」など、時流に合わせて変化する顧客の意識に寄り添ったマーケティングを実施し、一定の成果を挙げてきたという。現在の資本金は1億円で、従業員数は約90人。
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