通信機能を強化したプログラマブルロジックコントローラー、遠隔監視などに対応:FAニュース
IDECは、プログラマブルロジックコントローラーの新製品「FC6A形Plus CPUモジュール」を発売した。従来のラインアップに加え、遠隔監視、操作をはじめとするIoT化に対応するなど、使用用途がさらに広がる。
IDECは2017年10月25日、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)の新製品「FC6A形Plus CPUモジュール」を発売した。I/O点数が「16I/O(8/8)」と「32 I/O(16/16)」の2タイプをそろえ、価格はそれぞれ7万6000円、8万9000円(税別)となる。
FC6A形Plusは、同社従来のPLCより、Bluetooth、イーサネットなどの通信機能や基本性能を強化。遠隔監視・操作をはじめとするIoT(モノのインターネット)化への対応を容易にする。
Bluetooth通信機能により、スマートフォンやタブレットの専用iOS、Android対応アプリからワイヤレス通信が可能になり、パラメータの確認や変更、ユーザープログラムの更新、SDカード内のロギングデータの確認ができる。また、バーコードリーダーなどの外部デバイスとのワイヤレス通信も可能だ。
2つのイーサネット通信ポートを標準搭載し、eメールの自動通知や遠隔監視、操作などを行う情報処理系と周辺機器を制御する制御系の通信とを分けることで、通信速度の安定化やセキュリティ対策に貢献する。また、「FTPサーバ/クライアント通信機能」により、双方間で複数のデータの格納と共有ができる。
他に、最大2060点のI/O制御点数や、複雑なプログラムにも対応可能な800KBのユーザープログラム容量、基本命令処理時間21ナノ秒を実現する高速処理、チャンネル間絶縁タイプのアナログ入力モジュール、RS232C/RS485選択式シリアル通信モジュールへの対応など、基本性能を拡充している。
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