ディープラーニングの事業活用を可能にする「ジェネラリスト」の重要性:AI基礎解説(2/2 ページ)
AI技術として注目を集めるディープラーニング。ディープラーニングへの取り組みを進めていく上で必要とされる人材には「エンジニア」の他に「ジェネラリスト」も必要だ。本稿では、ディープラーニングの「ジェネラリスト」に何が求められるかについて解説する。
3.「ジェネラリスト」の育成を知識獲得の面から支援する「G検定」
JDLAでは、そんなジェネラリストの育成を知識獲得の面から支援します。その活動の1つが、JDLAが実施する「JDLA Deep Learning for GENERAL(以下、G検定)」です。
G検定では以下の内容で検定試験を実施し、合格者には事業推進のために必要な基礎知識があることをJDLAの有識者が認定する制度です。受験方法はオンライン実施なので、多忙なビジネスマンでも簡単に受験できるように配慮されています。また、エンジニア向けの試験と違い、認定プログラムの受講は必要ありませんが、代わりにJDLAの推薦図書が学習の助けになることでしょう。
加えて、詳細なシラバスは以下のようになっています。人工知能研究の歴史に始まり、技術についての詳細、さらには最近の活用事例まで、基礎知識が幅広く押さえる必要があります。さらに、試験は100問120分の多肢選択形式ですので、解答の瞬発力も求められます。
JDLAでは、このようなディープラーニングのジェネラリストを2020年までに10万人という規模で輩出することを目指しています。日本が、米国や中国との競争で勝ち残るためには、そういった規模のジェネラリストが必要不可欠なのです。「我こそは自社の事業競争力、ひいては日本の産業競争力の向上に貢献したい」という人に、ぜひとも名乗りを上げて合格を目指していただきたく思います。
第1回G検定試験の申込受付は12月9日(土)まで!
概要:ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する
受験資格:制限なし
試験概要:120分、100問の知識問題(多肢選択式)、オンライン実施(自宅受験)
出題問題:シラバスより出題(推薦図書あり)
受験料:1万2960円(税込)/学生5400円(税込、初回限定)
試験日:12月16日(土)13〜15時
申込期間:11月17日(金)〜12月9日(土)
申込Webサイト:https://www.jdla-exam.org/d/
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