組み込み用Linux開発基盤が長期サポートを実現するCIPカーネルに対応:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、「RZ/G Linux プラットフォーム」をバージョンアップし、産業グレードのオープンソースソフトウェア基盤を提供するCivil Infrastructure PlatformプロジェクトのCIP SLTS Linuxカーネルに新たに対応した。
ルネサス エレクトロニクスは2017年10月16日、「RZ/G Linux プラットフォーム」をバージョンアップし、産業グレードのオープンソースソフトウェア基盤を提供するCivil Infrastructure Platform(CIP)プロジェクトのCIP SLTS(Super Long Term Support) Linuxカーネルに新たに対応したと発表した。組み込みLinuxの10年を超える長期サポートとメンテナンスが可能になる。
RZ/G Linux プラットフォームは、Armベースのマイクロプロセッサ「RZ/G」シリーズと、開発ボード、動作検証済みのLinuxパッケージ、各種アドオンソフトウェア、クラウド開発環境から構成される産業機器向けLinux開発基盤だ。今回のバージョンアップでは、Linuxパッケージに含まれるCIP LinuxカーネルがCIP SLTSカーネルに対応し、10年以上のメンテナンスが可能となった。これにより、長期サポートを行う場合に年間数千万円単位でかかっていたメンテナンスコストを削減できる。
また、新たにセキュリティ機能も追加。ユーザー製品のデータ保護とともに、将来のネットワーク仕様を含めてシステム拡張に対応する。BSP(特定のハードウェア環境下で動作するソフトウェア群)については現在、RZ/G1M用を提供中で、今後数カ月の間に順次、他のRZ/G-PFシリーズ向けにも提供する予定だ。
その他、開発ツール類も使い勝手を向上させた。同プラットフォームはクラウド開発環境として、e2studioと連携してクラウドサーバ上でプログラムを開発できる各種ツールを提供している。今回、ハードウェア設計において、複数の機能が割り当てられた端子機能を正しく設定できているかをチェックするためのツールを新たに追加し、ユーザーの使い勝手の向上を図った。
さらに同社では今回、海外からもアクセス可能な英語版のルネサスマーケットプレースを新たに開設。同プラットフォームの提供は2016年10月から日本で行ってきたが、新たなマーケットプレースを通じて全世界での提供を開始する。
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