メルセデスは次世代自動車でも優位性を確立する:東京モーターショー 2017(2/2 ページ)
Daimlerが東京モーターショーで次世代自動車のフルラインアップを用意。コンパクトなEVシティーカーから同社史上最もパワフルな“公道走行可能なF1マシン”まで揃える理由は「将来性ある分野で優位性を確立することを真剣に目指している」からだ。
2016年9月のパリモーターショーで同社が発表したEV関連専門ブランド「EQ」では、幅広い要望に対応する電化の展開を進めている。
EVへの要望では「航続距離の長さ」があるが、その1つの解が水素燃料電池システムとPHEVを組み合わせた「GLC F-CELL」だ。その航続距離は水素だけで400km以上をカバーし、さらにバッテリーによって約50kmの走行が可能になる。
また同社では全てのセグメントでEVをラインアップに加えることが計画されており、2022年までに計10モデル以上のEVの販売を予定しているという。その中でコンパクトカー分野においてどれだけ魅力を注入することが可能かを示したのが「コンセプトEQA」だ。
特長的なバーチャルグリルは選択された走行モードに応じてデザインが変化。2基の電動モーターによって最大272馬力相当の出力を発揮し、拡張可能なバッテリーコンポーネントによって1回の充電で最大400kmの走行を実現。また急速充電を利用すれば10分の充電で100kmの航続距離を確保。通常電源の他、ウォールユニットや非接触充電などさまざまな充電方式に対応する。
さらに同社が2030年に向けて提案する“未来のシティカー”が、ステアリングもペダルもない完全自動運転車「smart vision EQ fortwo」だ。
群知能を活用し、ユーザーがいつどこで移動手段が必要かを把握。タクシーを呼んだり、カーシェアリングサービスでクルマを検索する必要はなく、「移動手段でクルマが欲しいな」と思った時には目の前にsmart vision EQ fortwoが現れている……、そんな便利な世界が実現するという。
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