完全自動運転車を2020年代初めに投入、ボッシュとダイムラーが業務提携:自動運転技術
Robert Bosch(ボッシュ)とDaimler(ダイムラー)は、完全自動運転車と無人運転車の開発について業務提携する。両社で自動運転のソフトウェアとアルゴリズムを共同開発する。ドライバーによる操作が不要な完全自動運転車は2020年代初めに市場導入する予定だ。
Robert Bosch(ボッシュ)とDaimler(ダイムラー)は2017年4月4日、完全自動運転車と無人運転車の開発について業務提携すると発表した。両社で自動運転のソフトウェアとアルゴリズムを共同開発する。ドライバーによる操作が不要な完全自動運転車は2020年代初めに市場導入する。
ドライバーがクルマの元に行くのではなくクルマがドライバーの元に来る、という考えの元、市街地でのカーシェアリングや自動運転タクシーを実現する。都市部での完全自動運転に適した車両を考察し、自動運転システムの量産体制を両社で整える。
完全自動運転車と無人運転車が普及することにより、市街地の交通状況の改善や交通安全に貢献すると見込んでいる。また、クルマがドライバーの元に来るようになることでカーシェアリングサービスの魅力を向上していく。車内で過ごす時間の有効活用や、運転免許を持たない人に移動手段を提供できるといったメリットも見込んでいる。
ボッシュとダイムラーは、カーシェアリングの車両向けの自動駐車技術の開発でも2015年に提携した。開発する自動駐車技術はダイムラーのカーシェアリングサービス「car2go」に適用する。ボッシュは駐車スペースの車両の有無を検知するセンサーやカメラ、通信システムなど駐車場を自動駐車に対応させるための設備を開発中だ。
また、ボッシュは2020年代初頭までに自動運転用コンピュータを量産することを明らかにしている。NVIDIAの車載向けAI(人工知能)スーパーコンピュータ「Xavier(ザビエル)」を搭載した「DRIVE PX」をベースにする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ベンツの未来系「Fモデル」がCESの基調講演で初公開される意義
「2015 International CES」の基調講演にダイムラー会長のディーター・ツェッチェ氏が登壇し、自動運転車の未来系を示すコンセプトカー「Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion」を初公開した。同社のフューチャーモビリティのコンセプトである「Fモデル」が、モーターショー以外で初公開されるのは異例のことだ。 - VWの無人自動運転車は、いつでもどこにでもボタン1つで呼び出せる
Volkswagen(VW)は、ドライバー不要の完全自動運転のコンセプトカー「Sedric」を発表した。ボタン1つの簡単な操作で、快適かつ安全に誰もが利用できるパーソナルモビリティの形を示すモデルだ。SedricはVWグループのブランドを横断したアイデアプラットフォームと位置付ける。 - ボッシュがNVIDIAと自動運転用コンピュータを共同開発、量産は2020年代初頭
Robert Boschは、2020年代初頭までに自動運転用コンピュータを量産する。NVIDIAの車載向けAI(人工知能)スーパーコンピュータ「Xavier(ザビエル)」を搭載した「DRIVE PX」をベースにする。 - スマホ活用の自動駐車技術、ダイムラーとボッシュが「car2go」に適用へ
Daimler(ダイムラー)とRobert Bosch(ボッシュ)は、駐車場内における自動駐車技術の開発プロジェクトで提携すると発表した。同技術を、ダイムラーが展開するカーシェアリングサービス「car2go」に適用することで、同サービスをさらに進化させたい考えだ。 - 自動運転車と5Gがもたらす「パートナーシップ」と「フラグメンテーション」
2020年を目標に商用化を目指す自動運転車と5G。両者への期待が相まって、自動車業界や通信業界の間でさまざまな「パートナーシップ」と「フラグメンテーション」が生まれている。自動運転車と5Gが交錯した「Mobile World Congress(MWC) 2017」の展示を中心に、それらの動向を考察する。