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VWの無人自動運転車は、いつでもどこにでもボタン1つで呼び出せる自動運転技術

Volkswagen(VW)は、ドライバー不要の完全自動運転のコンセプトカー「Sedric」を発表した。ボタン1つの簡単な操作で、快適かつ安全に誰もが利用できるパーソナルモビリティの形を示すモデルだ。SedricはVWグループのブランドを横断したアイデアプラットフォームと位置付ける。

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 Volkswagen(VW)は2017年3月6日(現地時間)、ドライバー不要の完全自動運転のコンセプトカー「Sedric」を発表した。ボタン1つの簡単な操作で、快適かつ安全に誰もが利用できるパーソナルモビリティの形を示すモデルだ。SedricはVWグループのブランドを横断したアイデアプラットフォームと位置付ける。

VWグループ CEOのマティアス・ミュラー氏とSedric
VWグループ CEOのマティアス・ミュラー氏とSedric(クリックして拡大) 出典:Volkswagen

 VWは配車サービスのGettに出資し、モビリティーサービスの新会社「MOIA」を設立するなど、クルマづくりだけでなくモビリティソリューションにも重点を置く。Sedricはモビリティソリューションの中核を担うとしている。

世界中、どこにいても好きな時に呼び出せる

 Sedricは、ドライバーを必要とせず、全ての道路や環境条件でシステムが制御と周辺監視を担う「レベル5」(米国自動車技術会や米国運輸省国家道路交通安全局などが定義)の自動運転車だ。Sedricは市街地や都市部周辺、郊外などで活躍するとしている。

Sedricの外観。フレンドリーで安心感を与える外観とした(クリックして拡大) 出典:Volkswagen

 VWグループのフューチャーセンター ヨーロッパと、VWグループの研究部門が開発、設計した。VWグループから完全自動運転車のコンセプトを発表するのは今回が初めて。

 VWは完全自動運転車について、数日単位で稼働しないことが多い現在の自家用車とは異なり、集中的に使用することを基本とする。車両に必要なスペースを減らし、エネルギー消費を抑えるとともに、安全で持続可能になるとしている。子どもから大人、高齢者、身体の不自由な人、クルマもしくは運転免許を持たない人、旅行者など全ての人々の用途に合ったモビリティになることを目指す。

コントロールエレメント。どこにいてもいつでも完全自動運転車を呼び出せる
コントロールエレメント。どこにいてもいつでも完全自動運転車を呼び出せる(クリックして拡大) 出典:Volkswagen

 Sedricは誰もが、いつでもどこへでも移動できるようにするコンセプトだ。好きな時にSedricを呼び出すには、プッシュボタンとリングで構成したコントロールエレメントを使用する。VWはシンプルに直感的に操作できることを重視し、ボタンを押すだけで指示した時刻にSedricが到着するようにする。ボタン操作や音声入力の他、スマートフォンのアプリからSedricに行き先を指示できる。

 コントロールエレメントは出張や旅行先など世界中で通用するユニバーサルなモビリティIDだ。VWグループのモビリティサービスプロバイダーが、共有モビリティを各国で保有・管理し、ユーザーは行く先々で自由にVWグループのクルマを利用できる形になるようだ。SedricはモビリティIDを基にユーザーを識別する。

完全自動運転車の車内は?

 Sedricに乗りこんだ乗員は、音声認識機能を通じて目的地や所要時間、行き方、途中の休憩などを語りかけることができる。乗員は、仮眠も含め走行中の時間を自由に利用可能だ。フロントウィンドウはコミュニケーションセンターおよびエンターテインメントセンターとして機能する大型有機ELディスプレイとなっている。大型有機ELディスプレイは透明で、スクリーンを通して外の景色を楽しむこともできる。

Sedricの室内。運転席やステアリングホイール、ペダルは存在しない(クリックして拡大) 出典:Volkswagen

 外観デザインは、フレンドリーで安心感を与えるものとした。ドアの開口部は大きく確保し、乗降しやすくしている。車体はコンパクトながら、広い室内を実現したとしている。Sedricは電気自動車で、バッテリーパックは前後のアクスル間に搭載している。駆動用モーターはホイールの高さに設置した。エアコンや自動運転システムは前後のオーバーハングに配置している。

 完全自動運転車なのでステアリングホイールやペダル、コックピットは存在しない。自宅のようにくつろげるよう、厳選した素材で快適なラウンジとなるようにした。室内は4人乗りで、2×2のシート配置とした。

「多くの人が個人的にクルマを所有したいと考えるだろう」

 Sedricは、VWグループのモビリティサービスプロバイダーのフリート車両となるだけでなく、個人的に購入して所有することもできるようにする。多くの人が将来的にも個人的にクルマを所有したいと望むという予測に基づいている。

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