スマホ活用の自動駐車技術、ダイムラーとボッシュが「car2go」に適用へ:自動運転技術
Daimler(ダイムラー)とRobert Bosch(ボッシュ)は、駐車場内における自動駐車技術の開発プロジェクトで提携すると発表した。同技術を、ダイムラーが展開するカーシェアリングサービス「car2go」に適用することで、同サービスをさらに進化させたい考えだ。
Daimler(ダイムラー)とRobert Bosch(ボッシュ)は2015年6月9日(欧州時間)、駐車場内における自動駐車技術の開発プロジェクトで提携すると発表した。同技術を、ダイムラーが展開するカーシェアリングサービス「car2go」に適用することで、同サービスをさらに進化させたい考えだ。
この自動駐車技術は、駐車場内のインテリジェントな設備、ボッシュの車両制御ユニット、同ユニットと連動するメルセデス・ベンツブランドの最新の車載センサー、そしてcar2goのカーシェアリングの知見を組み合わせて、近い将来の実用化を目標としている。
ダイムラーの取締役で研究責任者を務めるThomas Weber(トーマス・ヴェーバー)氏は、「自動駐車技術は、われわれが開発を進めている自動運転技術の進むべきステップの1つ」と語る。ボッシュの取締役であるDirk Hoheisel(ディルク・ホーアイゼル)氏は「一般的な自動運転技術よりも早い時期に、自動駐車技術を量産できるようになるだろう。駐車時では走行速度が低いという事実に、駐車場内のインテリジェントな設備からの情報を組み合わせられれば、実用化は早くなるはずだ」と述べている。
両社の開発プロジェクトが想定するcar2goへの自動駐車技術の適用シナリオは以下のようになっている。まず、スマートフォンでcar2goを予約する。予約したユーザーが、駐車場内の乗車ゾーンに向かうと、car2goの車両が自動駐車技術によって走行してくるので、後はそのまま乗車して利用すればよい。car2goの車両を返す時は、返却ゾーンに駐車してからスマートフォンで返却申請をすれば、後は駐車場のシステムが指定するスペースに自動で駐車する。
ボッシュは、駐車スペースの占有状態を検知するセンサーやカメラ、通信システムなど、駐車場に必要な設備を開発中である。同社は自動駐車のための車両制御と通信を行う車両側のユニットも開発する。このユニットと、既存のECU(電子制御ユニット)とのインタフェースについては、ダイムラーとボッシュで共同で定義することになる。ダイムラーは、car2goの車両に搭載するセンサーと車載ソフトウェアを最適化するとともに、car2goのカーシェアリングに革新をもたらすようなビジネスモデルを検討する。
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